阿佐ヶ谷姉妹「必然性あった」封印の歌で女芸人女王

「女芸人No・1決定戦 THE W」で優勝した阿佐ヶ谷姉妹の木村美穂(左)と渡辺江里子(撮影・足立雅史)

笑いの女王を決める「女芸人NO・1決定戦 THE W」の決勝戦が10日、東京・汐留の日本テレビで行われ、トレードマークのピンクのドレスを脱ぎ、歌ネタも封印して挑んだ阿佐ヶ谷姉妹が栄冠を手にした。

エントリー総数606組の頂点に立った。賞金1000万円と日テレレギュラー番組に合計視聴率100%分出られる権利に加え、今年から追加された冠番組の権利を獲得した。姉妹にとって初のタイトルになる。

最終決戦では誘拐ネタを披露し、封印したはずの歌を歌った。渡辺江里子(46)は「歌う必然性があった」と話した。

放送終了後、ドレスと歌を封印した理由について渡辺は「12年たってピンクのドレスで歌うおばさんとは認識されたと思いますが、芸人としておもしろいといわれないんです。せっかくの機会なのでネタで勝負してみようと思って挑戦しました」と明かした。

優勝の喜びを伝えたい人を聞かれると、渡辺と木村美穂(45)は「泣いちゃう…」と口をそろえた。木村は半泣きで「母に伝えたい。実家に帰れていないので、カニを買って正月は一緒に過ごしたいです」。渡辺は「母がすごく気を使ってくれました。母の念が届いたのかもしれません」と涙ながらに話した。

1対1で戦うファーストステージでは、関西の若き強豪、紅しょうがを217対184の僅差で撃破。だが、決勝は184票を獲得し、2位横沢夏子(28)に70票の差をつけた。

連覇を狙ったゆりやんレトリィバァ(28)は1回戦トップで出場も、ファーストステージであぁ~しらき(42)に敗れた。【川田和博】

◆阿佐ヶ谷姉妹(あさがやしまい) 姉の渡辺江里子は1972年(昭47)7月15日栃木県出身、妹の木村美穂は1973年(昭48)11月15日神奈川県出身。劇団東京乾電池研究所で知り合い、07年10月コンビ結成。歌唱力を生かした歌ネタが得意。08年に「とんねるずのみなさんのおかげでした」のコーナー「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」で由紀さおり・安田祥子姉妹のモノマネで人気。血縁関係はない。東京・阿佐ケ谷で同居していたが、17年末に同居を解消した。

◆第1回VTR ゆりやんレトリィバァ、牧野ステテコ、アジアン、ニッチェ、まとばゆう、中村涼子、はなしょー、押しだしましょう子、紺野ぶるま、どんぐりパワーズの10組が決勝進出。ファーストステージを通過したゆりやん、牧野、アジアン、ニッチェ、まとばが最終決戦へ。「ドラえもんネタ」を見せたゆりやんが201票を獲得し、2位の牧野に100票以上の差をつける圧倒的勝利で初代女王に輝いた。