霜降り明星、来年東京進出で「波瑠に…ガッキーに」

霜降り明星のせいや(左)と粗品はカメラに向かってポーズを決める(撮影・鈴木みどり)

2018年の漫才日本一決定戦「M-1グランプリ」を制したのは若手実力派のお笑いコンビ、霜降り明星だった。2日の優勝後は、審査員を務めた上沼恵美子(63)に対する暴言騒動が話題の中心となり、優勝した2人にはなかなかスポットが当たらなかった。結成6年目、史上最年少で快挙を達成した粗品(25)とせいや(26)に、このほど話を聞いた。

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若さのあふれる王者の登場だ。粗品の25歳11カ月、せいやの26歳3カ月は、03年優勝のフットボールアワー岩尾望(43)の28歳と9日を大きく更新した。

スピーディーなボケのせいやに、ツッコミの粗品。決勝1回戦で、審査員のオール巨人(67)から「せいやが細かくボケたのを、粗品が的確に予想よりちょっと上のレベルでつっこんだ」とほめられた。

粗品は「うれしかったですね。優勝の自信は50%くらいありました」。せいやは「ネタの自信は100%、優勝する自信は20%くらい」と振り返る。

10年に吉本の高校生漫才日本一決定戦「ハイスクールマンザイ」に別々に出場して知り合った。その後、せいやは近大に進学して教師を目指した。粗品は同志社大1年の時に、プロのピン芸人になって中退。「吉本から給料をいただいてましたけど、全然へなちょこでした」と振り返る。

13年1月に、粗品が誘って霜降り明星を結成。今年3月のピン芸人日本一決定戦、R-1ぐらんぷりでは、それぞれ決勝進出。せいやは「全国の賞レースの大舞台で決勝に出られたのは、いい経験になった。M-1の時も『R-1みたいに普通にやったらええ』と自信になりました」と話す。

優勝後のメディアの話題は、上沼への暴言騒動ばかりに集中したが、来年1月にはフジテレビ系「めざましテレビ」(月~金曜午前4時55分)の水曜エンタメコーナーのプレゼンターを務める。早ければ、来年4月には東京進出する。

粗品は「女優の方とか会ってみたい。波瑠さんに行ってみたい。あとダウンタウンさんに、僕の顔を見て『霜降り明星の粗品やん』て言ってもらえるくらい共演できたら」。外科の女医と交際1カ月半のせいやは「ガッキー(新垣結衣)に会いたい。あとは志村けんさん。明るく他人を傷つけない志村さんの笑いと、トーク力抜群の今田耕司さんが憧れでした。ファンクラブに入ってるアグネス・チャンにも会いたいです」と屈託ない。

粗品は「M-1優勝は、これがスタート」。せいやは「テレビの世界を2人で自由に楽しみたい」。これからが本当の戦いだ。【小谷野俊哉】

◆霜降り明星(しもふりみょうじょう)ボケ担当のせいやは、1992年(平4)9月13日、大阪府生まれ。近大卒。アグネス・チャンファンクラブの会員。163センチ、56キロ。血液型A。ツッコミ担当の粗品(そしな)は1993年(平5)1月7日、大阪府生まれ。同志社大中退。実家は焼き肉店。180センチ、56キロ。血液型O。13年1月にコンビ結成。主な受賞歴は17年「第38回ABCお笑いグランプリ」優勝、今年の「第7回ytv漫才新人賞」優勝。今年のピン芸人NO・1決定戦「R-1ぐらんぷり」で、ともに決勝進出。