木村拓哉（46）と長沢まさみ（31）の新春スペシャル対談が実現した。映画「マスカレード・ホテル」（1月18日公開、鈴木雅之監督）で初共演。豪華キャストがそろった華やかな作品の中心で、息のあったコンビネーションを見せる。百戦錬磨の木村だが、“長沢記者”から直撃質問を受け思わず苦笑い！？【取材・横山慧】

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初共演の2人に、お互いの印象を聞いた。

長沢　最初は緊張しました。でも、木村さんが受け止めてくださったおかげで、日に日に信頼関係ができていったと思います。空気の緩急と、ぴしっとした集中。率先して場の緊張感を作ってくれる、頼れる兄貴のような存在でした。

木村　僕1人でハンドリングしているわけではなくて、監督とか、スタッフさんとか、キャストの方々もそうですよ。長沢さんも、本当に一切逃げることなく参加してくださった。一度も音を上げなかったし。まだまだ広いキャパシティーを感じました。

長沢　う～ん？（首をかしげる）

木村　ほら。この感じだから。役よりもご本人のほうが器がでかいんですよ。

長沢　うれしいです。木村さん、私の舞台（「メタルマクベス」）を見に来てくださって。

木村　毎日トライアスロンやっているような、激しい作品でした。それなのに、休演日には、映画のPR現場に普通に現れる。信じられない体力ですよ。超人ですね。

長沢　いえ、全然…。

木村　性別を超えたかっこよさがありますよ。

長沢　いや、でも、私は木村さんほど結果を残してきてないですから。木村さんはずっと、もう何年も、必ずみんなの期待に応えてきている人だから。私はまだまだ小物。しゃかりきにやってます（笑い）。

木村　どんな小物だよ（笑い）。

長沢　（笑い）

常に世間から注目を浴びる木村だが、以前から「ネガティブキャンペーンみたいなものがあっても構わない」と話していた。

木村　否定的な意見もあってこそ、それが「本当」なんだと思うんです。肯定的な意見しか見えてないのはまずいですし。そういう（厳しい）立場に置かれた時に、守るべきものを守るために、自分で立ち上がる力を持っていたいです。

長沢　（木村の顔をのぞきこんで）昔からそういう性格なんですか？

木村　昔からじゃない？

長沢　すごいなあ～。泣いたりしないんですか？

木村　どんな記者だよ（笑い）。しないっすね。

長沢　すごい。撮影中も楽しんでますよね。

木村　うん。楽しんでますよ。でも、楽しむには体力が必要。（長沢は）その体力がハンパないよ。

長沢　ちょっと、お父さんが、スポーツ選手（元サッカー日本代表の長沢和明氏）だったからですかね。

木村　知ってる。日本代表だからね。

長沢　骨は、丈夫です。

木村　筋繊維とね。

長沢　そうですね。

16年末のSMAP解散後、木村は3年連続で主演映画の公開を迎えている。

木村　たまたまですよ。たまたま、作品の現場が、自分を要してくれたので。自分自身は変わってはいないです。ただ、矢沢（永吉）さんの東京ドームとか、B’zさんの味の素スタジアムのライブを見た時に、「ステージ」っていうものが、あらためてすごくスペシャルな場所に見えたりはしましたね。

「マスカレード－」公開から始まる今年の抱負は。

木村　18日公開ですけど、お正月気分を引っ張ったような豪華な出演陣で構成されているので、楽しんでいただきたいです。今年は平成が終わりますけど、平成に何かを残したままにしないように、胸を張って次の元号を迎えたいです。

長沢　ホテルの中でいろんなことが繰り広げられるので、ホテルの一員になったようなつもりで楽しんでいただけるような作品だと思います。個人的には、昨年コメディーの出演が続いたので、今年は「マスカレード－」を皮切りに、真剣な自分とも向き合っていきたいと思います。

木村　長沢さんは、見たくなる作品をやられているから。

長沢　木村さんの舞台も見てみたいです！

木村　…こういうプロデュースを、どんどん頭の中で勝手にしてくるんですよ（笑い）。

長沢　殺陣も見たいです！　これからは、舞台の木村さんとか、どうでしょうかっ！？

木村　もはや、すごいマネジャーだよね（笑い）。

◆木村拓哉（きむら・たくや）1972年（昭47）11月13日、東京都生まれ。叔母が履歴書を送ったことでジャニーズ事務所入り。93年フジテレビ系「あすなろ白書」で俳優として脚光を浴び、96年「ロングバケーション」など多数の連ドラに主演。昨年「無限の住人」、今年は「検察側の罪人」と映画の主演も続く。血液型O。

◆長沢（ながさわ）まさみ　1987年（昭62）6月3日、静岡県生まれ。00年に12歳で「第5回東宝シンデレラ」グランプリに輝き、同年女優デビュー。03年「ロボコン」で映画初主演、日本アカデミー賞新人賞。07年連ドラ「プロポーズ大作戦」主演。15年映画「海街diary」で日刊スポーツ映画大賞助演女優賞。血液型A。

◆「マスカレード・ホテル」　東野圭吾氏が発表し、累計350万部突破した小説「マスカレード」シリーズの第1作が原作。都内で3件の連続殺人が起こり、次の現場として予告されたホテルで捜査が始まる。刑事の新田浩介（木村）が、ホテルマンの山岸尚美（長沢）と言い合いながらも協力し犯人を追う。小日向文世、生瀬勝久、高嶋政宏、松たか子、元AKB48前田敦子、勝地涼ら出演。