西野カナ、活動休止発表の背景にある真面目な性格

西野カナ(18年9月撮影)

西野カナ(29)が、あえて「活動休止」を発表した背景には、真面目できちょうめんな性格が関係していると思われる。

「活動休止」とあえて宣言することなく、ライブ活動や新曲の発表などの音楽活動から遠ざかり、長期にわたって、いわゆる「充電期間」を過ごす歌手は、少なくない。そんな中、今回の「活動休止」には、充電を中途半端な形にしたくないという西野の思いが強く反映したと感じる。

西野は、恋愛や友情をリアルにつづった曲を歌っているが、その歌詞のほとんどは自分で手掛けている。以前、曲が完成するまでの過程や作詞について聞いた時、外見からは想像しにくい、徹底的にこだわる職人気質を感じた。

まず、歌詞がまだ付いていない多くの候補の中からスタッフと曲を決める。そして、その音のイメージから、ワードで2枚程度の企画書を作成する。曲の中で描かれる設定や人物、結末まで書き込む。企画書自体にタイトルを付けたり、文字の大きさをその都度、変えたりと、細かいところまで気持ちが行き届き、凝っていた。

歌詞は、書きだめはしない。以前は、持ち歩いているノートや携帯電話に書き込んだりしていたが、大学生活を経て、パソコンを使って書くようになった。感性を大事にしながら、集中して作っていた。

ステージなどの衣装にもこだわりがあり、自分で決める。最先端のファッションの動向が分かるパリやミラノ、ロンドン、ニューヨークなどのファッションショーやコレクションを動画などでチェックして刺激を受け、参考にしたり取り入れたりする。

歌うだけでなく、歌詞を書き、ファッションも細かく勉強しているこだわりぶりに感心していると、「細かい作業が好きです。多分、好きなものだけは、頑張れる人なんです」と自分の性格を分析していた。たとえば、友人と旅行する際、手製のガイドブックを作成することもあるという。ふんわりと優しげな雰囲気をまとっているが、こだわりたい部分については、職人気質を発揮する性格の持ち主だと思った。

歌手としての「活動休止」をあえてファンに伝えるあたりも、自分の状況を曖昧なものにしておかないという真面目さや、こだわりを感じる。【近藤由美子】