ダウン症の書家・金沢翔子さん(33)の個展「金沢翔子展」が9日、静岡市の松坂屋静岡店で始まり、金沢さんが席上揮毫(きごう)を行った。
1枚の大きさが約100センチ×190センチの大画箋紙(がせんし)に、両手で筆を持ち「飛翔」と書き上げた翔子さんは「翔子の翔です。心を込めて書きました」と笑顔を見せた。同じく書家の母泰子さん(75)は「気合が、いつにも増してすごかったですね。皆さんに喜んでほしいという思いだけが乗った良い字でした」と説明した。書き終えると、大好きだというマイケル・ジャクソンの衣装に着替えて、ダンスも披露した
東京出身の翔子さんは生後、ダウン症と診断された。泰子さんに師事して5歳から書道を始めると、豊かな感受性で才能が開花。20歳のときに個展を開くと、東大寺、伊勢神宮など各地で奉納揮毫に招かれた。12年のNHK大河ドラマ「平清盛」の題字を担当したほか、海外でも個展を開催している。泰子さんによると、30歳になってから1人暮らしを始めた。「障がいを持って生まれてきたときはどん底でしたが、生きてさえすれば絶望はないということを伝えたいです」と話した。
今回は約20点が14日まで展示される。【和田憲明】