森昌子が還暦引退「人生充実させたい」引退後は未定

16年7月、45周年記念ライブを行いデビュー当時の等身大パネルの横で笑顔を見せる森昌子

歌手森昌子(60)が25日、公式ホームページで、年内の活動で芸能界を引退すると発表した。昨年還暦をむかえ、人生の残りの時間を芸能活動以外のことに時間を使い、人生を充実させたいことなどが理由という。28日、都内で記者会見を行い、自らの口で思いを話す予定だ。

歌手活動をはじめ、女優、バラエティー番組などでも活躍をしていた森昌子が、年内での芸能界引退を発表した。「昨年還暦を迎えるにあたり、人生の残された時間を具体的に考え始めた時に、もう少し穏やかな時間の中で、芸能活動以外の事に時間を使って人生を充実させたいと思うようになりました」。発表した文書では理由をこう記している。

関係者によると、昨夏に13歳のデビュー当時から、家族同様に接してきた興行関係者が78歳で死去。「この年齢まであと20年もない」。こう思ったことが、同10月に60歳という人生の節目を迎える自身にとって、1度立ち止まる大きなきっかけになったという。

13歳の時に「せんせい」でデビュー。桜田淳子、山口百恵さんと「花の中3トリオ」として一世を風靡(ふうび)。その後も「おかあさん」「哀しみ本線日本海」「越冬つばめ」「愛傷歌」など多くのヒット曲を世に送り出した。

人気絶頂期だった86年、歌手森進一(71)と結婚し引退。05年に離婚し翌年芸能界に復帰すると、約20年のブランクを感じさせない勢いで約13年も再び音楽活動などにまい進してきた。

当初昨年10月で引退する意向だったが、所属事務所からの説得を受け入れて1年延長。ファンに感謝の思いを直接伝えるために、約100カ所を回る全国ツアーを12月12日の福島公演まで行う。同25日に実施するクリスマスコンサートが最後のステージになるとみられる。

長男はロックバンド「ONE OK ROCK」のボーカルTaka。三男もロックバンド「MY FIRST STORY」のボーカルHiroとして活躍中。3人の子育ても既に終えている。引退後の予定は「何も決まっていない」(所属事務所)という。幼少期は病弱の母親に代わって家事を担当していた。13歳からは芸能界、そして家庭での子育てと完全燃焼してきた昌子が、還暦を迎えて初めて「自分のための人生」への歩みを決めた。

<森昌子プロフィル>

◆58年10月13日 栃木県で生まれる。

◆71年 日本テレビ系「スター誕生!」の初代グランドチャンピオン。

◆72年 デビュー曲「せんせい」が大ヒット。

◆85年 NHK紅白歌合戦で史上2人目の「司会+トリ」を務める。

◆86年8月 森進一と結婚のため引退。

◆06年6月 「バラ色の未来」で再デビュー。

◆07年 NHK朝ドラ「どんど晴れ」にヒロインの母親役で出演。

◆09年 子宮頸(けい)がんを患う。

◆11年4月 東日本大震災被災地の慰問活動をし「岩手県復興大使」に任命。

◆14年9月 初のセルフカバーアルバム「森昌子ベスト15」発売。

◆17年2月 45周年記念本「母親力」発売。

◆18年10月 還暦コンサートをスタート。