宮崎駿監督が祝幕、尾上菊之助長男和史君の初舞台

宮崎駿監督が描いた尾上丑之助初舞台の祝幕の意匠を前にする尾上菊之助(左)、鈴木敏夫プロデューサー

歌舞伎俳優尾上菊之助(41)の長男寺嶋和史君(5)が7代目尾上丑之助を名乗り初舞台を踏むことを祝って、宮崎駿監督(78)が描いた絵が祝幕になる。

11日、都内で菊之助、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサー(70)が会見し、デザインが発表された。和史君は、「團菊祭五月大歌舞伎」(5月3~27日、東京・歌舞伎座)の「絵本牛若丸」で初舞台を踏む。アニメーション監督が歌舞伎の祝幕を描くのは初めて。

京都・五条大橋上での、牛若丸と弁慶が描かれた絵が披露された。菊之助は「とても元気のある、躍動感のある作品。この絵にあやかりまして、元気はつらつとして舞台を務めさせていただきたい」と話した。和史君も喜んでいたそうで、牛若丸を見て「これ、ぼく?」と何度も聞いていたという。

鈴木氏も「和史君に会った時、びっくりしたんです。似てるんです。かわいくて元気いっぱいだった。この子と遊んだらおもしろいだろうな、と思いました」と話した。

もともとの作品に、弁慶は登場しないが、宮崎監督の絵を見た菊之助は「弁慶が出ないわけにはいかないだろうと、弁慶をやらせていただくことにしました。初役です」。

鈴木氏によると、12月に菊之助が出演する歌舞伎版「風の谷のナウシカ」が縁での依頼。同氏は「まさか歌舞伎の、和史君の祝幕をやるとは想像もしなかった」と話した。宮崎監督は、すぐにラフを描き始め、その後弁慶について調べて絵を完成させたという。

祝幕は、初舞台は襲名などの節目に、後援会やごひいきから俳優に提供される特別な幕。宮崎監督による原画は「團菊祭」期間中、歌舞伎座に展示される。