「可憐さと力強さを」宝塚令和元年107期生入学式

新入学の107期生を代表して取材に応じた成績上位の(右から)首席の関谷美咲さん、渡辺凛々子さん、辻本朱里さん、西村日向子さん(撮影・村上久美子)

未来のタカラジェンヌを育成する宝塚音楽学校の第107期生入学式が18日、兵庫県宝塚市の同校で行われ、競争率22・9倍の難関を突破した40人が、夢へ向かい第1歩を踏み出した。

平成最後で、令和元年の新入生。グレーの制服に身を包んだ予科生40人を前に、小林公一校長は「皆さまの背中には(倍率)22人の涙があることを忘れずに精進してください」と、式辞を述べた。

阪急阪神ホールディングスの代表取締役会長グループCEOでもある角和夫理事長も、宝塚歌劇団「ミー&マイガール」の有名なセリフ「貴族には義務がある」を引き合いに「あなたたちは約1000人から選ばれた40人」と、夢へ向かうにあたり覚悟を求めた。

新入生は予科、本科と2年にわたり、歌、ダンス、日本舞踊などの基礎を学び、礼儀作法など、タカラジェンヌとしての資質も磨き上げられる。音楽学校時代はもちろん、2年後に宝塚歌劇団へ入団しても、5年目までは隔年で試験があり、席次が決まる厳しい競争も待っている。

角理事長は「今日は(新入生は)あいうえお順に座っていますが、ひとたび試験があれば、座席は成績順に変わります」と、切磋琢磨(せっさたくま)を期待してあいさつ。「あと12日で新元号になります」と、令和元年の107期生が新風を吹き込んでほしいと呼びかけた。

劇団代表としては、雪組組長の奏乃(そうの)はるとが祝辞。「清く正しく美しく、を、つねに念頭に置き、向上心をもって、かけがえのない時を過ごしてください」と激励した。

式典後には、成績上位4人が取材に応じ、首席入学の関谷(せきや)美咲さん(神奈川県横浜市出身)は娘役志望で、元月組トップ娘役の愛希(まなき)れいかをあこがれにあげた。

関谷さんは「かれんさと力強さを兼ね備えたタカラジェンヌになりたい」。成績2番目で、男役志望ではトップの渡辺凛々子さん(三重県度会郡出身)は、星組2番手スター礼真琴にあこがれているといい「男役も女役も、歌、ダンス、お芝居、何でもできる男役になりたいです」。同じく男役志望の辻本朱里(東京都江戸川区出身)は、現役最長在位の花組トップ明日海りおを目標に掲げ、目を輝かせた。

令和元年の入学生となったことには、娘役志望の西村日向子(ひなこ=福岡市出身)が「令和の時代になっても、宝塚がより華やかに、輝いていられるよう、私たちも精進して参ります」と誓っていた。