西村由紀江が大阪国際空港で生演奏、新アルバムPR

大阪国際空港の展望デッキで「ラブピアノ」を演奏する西村由紀江(右)と隣で踊る関西エアポートグループ公式キャラクター「そらやん」

ピアニスト西村由紀江(51)が24日に通算40枚目の新アルバム「ピアノスイッチ~ベストセレクション~」をリリースする。アルバムタイトルは昨年コンサートイベントで初めて共演したアーティスト大塚愛から「8歳の頃、(西村の楽曲)『夢を追いかけて』でピアノ好きスイッチが入りました」と掛けられた言葉から名付けた。

多忙の中でも「ピアノの楽しさ」を伝える活動を続ける。20日には、大阪国際空港でストリートピアノの演奏を行い、居合わせた多くの旅客らがクラシックの名曲メドレーなどに聞き入った。ヤマハミュージックジャパンが「誰でも気軽に弾くことができるピアノ」をコンセプトにした愛称「Love Piano(ラブピアノ)」を空港内に設置、地元豊中市出身の西村が趣旨に賛同し、同空港の協力で実現した。ターミナルの展望デッキという野外ステージで、飛び立つ旅客機を背に演奏した西村は「夢のようです。デビュー33年目でこんな素晴らしいシチュエーションは初めて。風を感じながら、飛行機雲と一緒に楽しめた」と目を細めた。この日もアルバムから「黒鍵」などを披露した。

「ピアノは楽しい。興味のある人が弾きたくなる、弾いて楽しくなる曲を作りたい。そんな思いから生まれたメロディーを新アルバムに収録しました」。40作目の節目を迎え原点に回帰する思いで、過去39枚のアルバムから人気曲のリアレンジ版に新曲を加えた全15曲に仕上げた。「弾く人が楽しくなるようなアレンジを考えました。例えば、演奏中に手を交差させてパーカッションの用に弾く場面や、黒鍵だけで弾けるように作り直しました」。これらリアレンジ版のピアノ曲集(楽譜)も、あえて楽曲ごとに難易度を提示、本人による演奏アドバイスも掲載したものを同時発売する。「ピアノを弾く『憧れときっかけ』になれるような1枚です」と笑顔いっぱいだ。

大塚と出会ったというイベント「ならピ」(ならピアノ・フレンズ=MBS主催)は、ピアノの所有率が全国トップクラスの奈良で生まれたピアノが主役のコンサート。今年7回目を迎え、6月1日に西村も出演(チケットは完売)。その後、アルバム発売記念ツアーが、6月15日の仙台公演から8月18日の東京公演まで全国9都市で開催する。

長く東北でも活動を続ける西村は「ピアノ演奏を聴くと昔を思い出し、日常が戻った気がする」という言葉を掛けられ、「被災地を訪れる度に、逆に多くのことを教えていただく。そしてピアノの楽しさを思い出す」と話す。鍵盤の力を信じる西村が奏でるメロディーは美しい。公演の詳細は公式サイト(http://www.nishimura-yukie.com/)を参照。