岡田准一“脂ギッシュ”に男たちの栄華と没落を表現

総回診のパフォーマンスで登場する岡田准一(中央)(撮影・河田真司)

V6岡田准一(38)が8日、都内で行われたテレビ朝日開局60周年記念5夜連続ドラマスペシャル「白い巨塔」(5月22~26日午後9時)の制作発表記者会見に出席した。有名な総回診のシーンを実際に披露。エネルギッシュに、“脂ギッシュ”に、昭和の男たちの栄華と没落を表現する。

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これより第一外科財前教授による総回診を行います-。

会見場にアナウンスが流れると、白衣を着た男たちを引き連れた主演の岡田がレッドカーペットに登場し、大歓声があがった。「白い巨塔」の中でも特に有名な総回診のシーンだ。

キャスト陣が待ち受けるステージに上ると、「巨大な巨塔にチャレンジするつもりでキャスト一同、撮影して参りました。山崎豊子先生の名作をリメークするとあって、令和の時代にふさわしい一発目の巨大スペシャルドラマになっていると信じています」とあいさつした。

大学病院のスターとして君臨し、野心を燃やす財前五郎の栄華と没落を表現する。権力を象徴するような総回診のシーンについて、「有名なシーンなので、現場もみんな盛り上がるんです。気持ちいいですよね」と笑顔。一方で、「もともと医者が廊下の中央を歩くのは、手すりにつかまっている患者さんたちの邪魔にならないためなんだそうです。そういう気持ちも忘れないように意識はしました」と初の医師役としての心構えも明かした。

山崎豊子氏原作の同作は、欲望渦巻く大学病院を舞台にした昭和の名作。これまで故田宮二郎さんや唐沢寿明(55)主演で何度も映像化された。メガホンをとった鶴橋康夫監督から「今回はアクティブでエネルギッシュでいこう」と指示を受けたという。岡田は「昭和の男たちの、コテコテの、脂ぎった感じを出せるように意識しました。スタイリッシュな令和の現代にそれが合うのかは分からないですけど、はち切れんばかりの“油ギッシュ”なエネルギーが伝わったらいいなと思います」と話した。

松山ケンイチ(34)沢尻エリカ(33)寺尾聰(71)ら、豪華キャストもそろった。岡田は「財前が人生を上って、最後下るところを大事にしました。ラストの第5話の撮影はしんどかったですけど、ぜひいろんな世代の方に見ていただきたいです」とアピール。新時代を迎えても大切なものは変わらない。命とは、生きるとは、人を思いやることとは-。昭和生まれの岡田が全神経をとぎすまし、役柄と向き合う。【横山慧】

◆白い巨塔 作家・山崎豊子氏の原作で1963年(昭38)年9月から65年6月まで「サンデー毎日」で連載され、発行部数累計600万部のベストセラー小説。浪速大学の教授の座を野心的に狙う外科医、財前五郎と対照的な里見脩二の2人の医師を通し、がんの検査・手術、魑魅魍魎(ちみもうりょう)とした教授選、誤診裁判を通して医学界に渦巻く人間の欲望と打算を描いた社会派小説。ストーリーは、財前はあらゆる手を尽くし教授選を勝ち抜くが、ドイツ学会以降ある連絡をきっかけに、人生が転落していく。