桜田淳子の鼻にかける歌唱法は中村泰士の指導だった

中村泰士氏(左)の傘寿ディナーショーに、サプライズ登場したロザンナ

「喝采」「北酒場」など多くのヒット曲を手がけた作詞・作曲家で歌手の中村泰士が、80歳の誕生日を迎えた21日、大阪市内のホテルで、傘寿ディナーショーを開いた。

同級生で盟友の佐川満男(79)と共演し、中村氏作曲の「わたしの青い鳥」で日本レコード大賞最優秀新人賞を受賞した桜田淳子(61)からは、傘寿を祝う手紙が届けられた。

桜田の手紙には、デビュー曲「天使も夢みる」のレッスンの際、教えられた「鼻にかける歌い方」ができず、泣いた思い出が書かれており、桜田は「昨年私は45周年。(作曲家生活50周年の)先生が5年先輩とは思いませんでした」。手紙の締めには「可愛かった淳子より」と記されていたといい、中村氏は「淳子はかわいかったけど、特徴がなかった。それで鼻にかけて歌ってみたら、と。それをみんなまねした」そうで、桜田独特の歌唱法が誕生した秘話を明かした。

さらに、昭和の歌謡界を代表する夫婦デュオ「ヒデとロザンナ」のロザンナ(68)もサプライズで登場。デュオの代表曲「愛は傷つきやすく」が流れると、ロザンナが姿を見せた。

公演関係者によると、ロザンナは偶然、関西地区で仕事が入っており、中村氏には内緒で、スタッフがブッキング。久々の再会に2人は抱擁し、ロザンナは「あと35年くらいは(ステージを)やってくださいね」と言い、中村氏に祝福のキスをした。

中村氏は「今日、無事に80歳の大台を迎えることができました」とあいさつ。記念日に考え抜いたという舞台衣装はヒョウ柄の金色タキシードで「もうそろそろということで…お仏壇ルックです」。ちあきなおみの「喝采」、細川たかしの「北酒場」など代表曲のほか、令和の時代を迎え「まだ等身大の歌が書きたい。」との思いで書き上げた最新曲「新時代」も含め、全18曲を熱唱した。

終演後に取材に応じると、中村氏は「本当は今日のシークレットゲストに内田裕也さんを呼ぼうと。以前から佐川と話していたが、まさかあんなことに…」と急死した友人を悼んだ。

80代に入った自身については「70代はまだ若いなというところもあったけど、80になったら何でもありやな、と。毎日新しい曲ができてる。音楽が楽しい。(25年)大阪万博でもステージをやりたい」と話していた。