初音ミクと共演、三谷かぶき…歌舞伎界の新たな挑戦

「八月南座超歌舞伎」制作会見に出席した中村獅童(2019年5月23日撮影)

<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム>

歌舞伎の新しい試みが続いている。

8月には京都・南座で、中村獅童(46)とバーチャルシンガー初音ミクが共演する超歌舞伎が上演される。16年に「ニコニコ超会議」の中でのイベント公演の1つとして始まったものだが、ついに日本最古の歴史を持つ劇場、南座での1カ月公演に至った。

毎年、超会議で上演されるたびに大きな盛り上がりとなった。先日行われた会見で、獅童は「歌舞伎を見たことがない若者を振り向かせるのが中村獅童の使命。これからも伝統を守りつつ、革新を追求していく自分のスタイルを貫きたい」と話した。まさに超歌舞伎は、この言葉を表す公演だ。

獅童は、歌舞伎専用の劇場ではない場所で行う、オフシアター歌舞伎にも取り組むなどしている。

6月には歌舞伎座で、三谷幸喜氏の作、演出による三谷かぶき「月光露針路日本(つきあかりめざすふるさと) 風雲児たち」が始まる。三谷氏が13年ぶりに歌舞伎を手掛けるが「歌舞伎座での上演なので、何をやっても歌舞伎になる。逆にかなり自由な発想でやっています」という言葉を聞き、どんな歌舞伎になるのかと期待が高まる。主演の松本幸四郎(46)も「傑作を作って皆さまにびっくりしてもらいたい」と自信を見せていた。

三谷氏いわく「シベリアの雪原を犬ぞりで走る、歌舞伎座始まって以来のスペクタクルシーン」もあるとのこと。楽しみでしょうがない。