サザン3時代走り40周年、歌で55万人勇気づけた

メッセージをバックに「勝手にシンドバッド」を熱唱する桑田佳祐(中央)

サザンオールスターズが16日、東京ドームで、デビュー40周年のツアー最終公演を行った。6大ドームを含む全国ツアーのタイトルは「“キミは見てくれが悪いんだから、アホ丸出しでマイクを握ってろ!!”だと!? ふざけるな!!」。3月に宮城県からスタートした大規模記念ツアーは計55万人を動員。

1978年(昭53)6月25日にメジャーデビューしたサザンは歌で人を喜ばせ、勇気づけてきた。昭和、平成、令和の3時代を快走するグループは新たな目標を見据える。

   ◇   ◇   ◇

まさに“集大成”のステージだった。デビュー曲「勝手にシンドバッド」から最新曲「壮年JUMP」まで、珠玉の36曲に加え、練りに練られた約20分におよぶ寸劇風メンバー紹介など、サザン流エンターテインメントで4万8000人のファンを魅了した。

「壮年JUMP」では歌詞を「今日は千秋楽 みんなの笑顔に逢いたくて東京ドームへ帰って来た」などと変えて歌った。ラストを飾った「旅姿四十周年」(原曲「旅姿六人衆」)では「東京ドームで また逢おうね みんな元気で ありがとう」と再会を誓った。

冒頭で桑田佳祐(63)は「今日は来てくださった方だけでなく、全国のみなさんに感謝を込めてやらせていただきたいと思います」と語った。ツアー初日は3月の宮城県を選んだ。音楽で日本を元気にしたい-。時代が変わっても東日本大震災を忘れない。歌で人を喜ばせ、勇気づけるという歌手としての信念を長い旅で体現した。

ツアー当初、演奏曲に「勝手にシンドバッド」は入っていなかった。だが、ファンのリクエストに応えるかたちで4月の横浜アリーナから追加。この日は「40周年ありがとうね」のメッセージをモニターを背にして歌った。今回のツアーでは新曲「愛はスローにちょっとずつ(仮)」を各会場で披露してきた。初日に「ツアーでお客さんとともに熟成させていく曲」としたが、「いつか機会があれば世に出したいと思います」と約束した。

「充実したツアーだったので寂しい気もします」という桑田だが、「こうして舞台で盛り上がれるのは還暦を過ぎたメンバー一同大変幸せでございます。今日で千秋楽ですが、これからもサザンオールスターズをよろしくお願いします。40年間ありがとう。そして41年目からもよろしくお願いします!」と叫んだ。

昭和、平成を駆け抜け、令和も走り続けるサザンは、最後にステージを“全速力”で走り、万歳三唱で締めた。【川田和博】

◆放送日 東京ドーム公演は8月にWOWOWで放送されることが決定。放送日時の詳細は後日発表する。