GLAY初の韓国公演でミリオン曲披露、焼酎飲みも

初の韓国公演を開催したGLAY。手前はTERU、後方はTAKURO

【ソウル6月30日=遠藤尚子】デビュー25周年を迎えた4人組ロックバンド、GLAYが、KBSアリーナで初の韓国公演を開催した。同地での公演は13年に1度中止になり、メンバーにとっても、ファンにとっても待望の初公演。ミリオンヒットのオンパレードでファンに感謝を伝えた。

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ボーカルTERU(48)は3000人の大歓声に迎えられると、両手の人さし指を高々と突き上げた。1曲目の「サバイバル」で盛り上げると、韓国語で「ハングゲワソチョクヨ(韓国に来ることができてうれしいです)。キダリョジョソコマウォ(待っていてくれてありがとう)」とあいさつ。続けて「会えてうれしいです。楽しい時間を過ごしましょう!」という意味のメッセージを、韓国語で呼び掛けた。

ギターHISASHI(47)はMCの合間、スタッフに韓国焼酎「チャミスル」を持ってくるようお願いし、ステージ上で「チャミスルジュセヨ~!(ください)」。ボトルからそのままらっぱ飲みし、ファンの歓声を浴びた。

曲目には「HOWEVER」など90年代のミリオンヒットが並び、ファンにとってぜいたくなラインアップとなった。アンコールでは7月2日発売の最新曲「JUST FINE」を披露し、全22曲を歌唱した。TERUは先月24日、左顔面に熱湯を浴び、翌日の「デビュー25周年公約発表会」を欠席した。MCでは直接やけどに言及しなかったものの、すっかり回復したとみられ“完全復活”。顔も変わった様子はなく、ライブではパワフルな歌声を響かせた。同公演は29日と30日の2日間行われ、6000人を動員した。

韓国公演はGLAYにとって念願だった。13年に1度同地での公演が決定したが、現地プロモーターの都合などで見送られた。98年から行われた韓国の日本文化開放政策にともない、韓国内でも日本語のCDが流通。J-POPブームが起こり、高い人気を誇るGLAYの公演は現地で熱望されていた。TERU自身も韓国のボーイズユニット「PENTAGON」に日本デビュー曲を提供。SEVENTEENやEXOの曲を聞くなど韓国音楽シーンに興味を持っており、韓国公演を望んでいた。

来年には海外コンサートツアーを控える。この日、朝鮮半島の南北軍事境界線で、トランプ大統領と金正恩委員長による米朝韓首脳対話が実現する出来事もあった。歴史的な日に韓国公演を成功させたGLAYが、アニバーサリーイヤーを駆け抜ける。

▽ライブでは90年代にヒットした「誘惑」「SOUL LOVE」「BE WITH YOU」「Winter,again」「HOWEVER」「グロリアス」などを歌唱した。セットリストにミリオンセラーが5曲並ぶことは異例。韓国ファンの要望に応えた形という。「HOWEVER」では、最後の「やわらかな風が吹く この場所で」の歌詞を「韓国で」に言い換えファンを沸かせた。

<GLAY25年の歩み>

▼94年5月25日 メジャーデビュー。シングル「RAIN」、アルバム「灰とダイヤモンド」発売。

▼96年 3枚目アルバム「BELOVED」がミリオン達成。

▼97年 NHK紅白初出場。ベストアルバム「REVIEW BEST OF GLAY」が488万枚を売り上げ歴代3位。

▼99年7月31日 幕張メッセで20万人動員ライブ。

▼02年 中国公演。

▼08年 米国公演。

▼09年 15周年でホール、アリーナツアーなど開催

▼14年 20周年。5月に山形で6000人を無料招待する復興支援ライブ。

▼16年 1月発売の53枚目シングル「G4・4」がオリコン週間チャート1位。トップ10入りは96年「グロリアス」以来21年連続。

▼18年 3月に台湾、香港でワンマンライブ。8月の函館野外ライブは2日間で5万人動員。

19年6月 韓国公演。