GLAY初韓国ライブ TERUの熱が客席を一体化

新曲「夏音」をリリースしたGLAYのTERU

<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム>

先月30日に行われた、GLAYの初韓国ライブを取材した。13年に1度開催が決定したが、その時は現地プロモーターサイドの事情で中止に。7年越しの韓国公演実現とあり、待ちわびたファンの熱量は高かった。そしてボーカルTERU(48)の熱量も高かった。

まず、MC時の韓国語の多さに驚かされた。日本人アーティストが海外公演をする際は、簡単な現地のあいさつが定番と思っていたが、TERUはさまざまなパターンの韓国語を話していたように思う。

最初のあいさつでは「ハングゲ ワソ チョッコヨ」「ワジョソ コマウォ」「キダリリョジョソ コマウォ」「マンナソ パンガウォ」「チュルゴウン シガン ポネジャ」「チョウンハル テセヨ」。日本語にすると「韓国に来ることが出来てうれしい。今日は来てくれてありがとう。会えてうれしいです。楽しい時間を過ごしましょう。よい1日を」となる。TERUはここまでをひと息に言い切った。

アンコールで会場の熱気が最高潮に達した時には「チンチャ チョアヨ(本当に気持ちいい)」。ファンが「来てくれてありがとう」とハングルで書かれたカードを掲げた時には「タシ ヨギソ マンナジャ(またここで会おう)」とよどみなく読み上げた。

TERUはライブ中、ほかにも記者に分からない韓国語を連発していた。訳せないのがもどかしいが、とにかく努力の痕跡が感じられた。実際に熱心に韓国語を勉強していたらしく、事務所関係者によると、空港で合流した際のTERUは参考書を開いていたという。

7年待たせた韓国のファンを喜ばせるため、セットリストにミリオンセラーを5曲取り入れ、ほかにも90年代のヒット曲をパンパンに詰め込んだ。通常のツアーではあり得ないサービスぶりという。

韓国のファンも“待ちに待った”という感じにあふれており、アンコールの「HOWEVER」では、TERUの声にもバンドの音にも負けない大合唱が聞こえた。

国境を越えて、音楽の力がステージと客席を一体化させていた。反目し合う両国の政治家にも見せたいシーンだった。相思相愛が目に見えるような、すてきなライブだったと思う。【遠藤尚子】