小野健斗がゲイ役初挑戦「しっかりと向き合って」

舞台「MOTHERS AND SONS~母と息子~」と日本テレビ系連続ドラマ「わたし旦那をシェアしてた」に出演する小野健斗

俳優小野健斗(29)が、26日から東京・池袋のサンシャイン劇場で上演される舞台「MOTHERS AND SONS~母と息子~」(8月4日まで)に出演する。30歳の誕生日を来月9日に控え、初めて挑戦するゲイ役について語った。

劇作家テレンス・マクナリーの原作は、第68回トニー賞戯曲賞にノミネートされ話題を呼んだ。キャル(大塚明夫=59)とウィル(小野)は同性婚カップル。2人の間にはバドという男の子もいる。エイズで亡くなったキャルの元恋人アンドレの母親キャサリン(原田美枝子=60)が、クリスマスの日に2人の家にやってくる。キャサリンは夫に死なれ、1人息子のアンドレにも死なれて一人っきりになっていた。キャサリンは「息子は、なぜエイズで亡くなったのか。なぜ自分は孤独で、あなたたちは幸せなのか」と、キャルを問い詰める。

初めてのゲイ役に挑戦する小野は「いわゆるオネエっぽい役を演じたことはあるんですが、シリアスなゲイの役は初めてです。笑いを取りに行くんじゃなくて、しっかりと向き合って演じます」。場面展開のないワンシチュエーションで、上演の間は4人が出ずっぱりとなる。「サンシャイン劇場は700~800人入るんですが、これだけ大きな劇場で2時間近く出ずっぱりは初めてです」と言う。

06年に舞台「ミュージカル・テニスの王子様」で俳優デビュー。身長187センチのスラリとしたイケメン。ゲイの役を演じることは「あまり意識はしません。それより、題材が題材なので、他の作品と比べると初めてのことが多いジャンルなので大変ですね」。

ゲイのカップルの関係だけが注目を集めがちだが、小野は「それだけじゃない」と言う。「男対男というだけじゃなくて、もっと深いところに触れている作品。今の時代はLGBTというものに対する距離感が近くなっている。男女の異性感が薄れてきて、以前より、もう少しフラットに落ち着いて考えられる世の中になっている。この作品も、ゲイの息子を失った母親、そして幸せになっている息子の元恋人と、深く考えさせられる事が多い」。

ゲイカップの相手、キャル役は、アニメ「ブラック・ジャック」のブラック・ジャック役など、深みのある低音で人気のベテラン声優・大塚明夫。小野は「初めての共演なんですが、昔からいろいろな作品の声優をやってらっしゃるので、よく存じ上げてました。アニメが好きなんですが、大塚さんの声はすぐ分かるんです。共演が決まったときは、ちょっと興奮しましたね」と笑顔を見せた。

ゲイの息子を亡くした母親、キャサリン役は40年以上にわたり第一線で女優として活躍する原田美枝子。小野は「本当に素晴らしい役者さん。せりふ、目力で伝わってくるものがある。長ぜりふも多い翻訳劇なんですが、日本語として分かりやすい。本当に勉強になります」と話している。

声優としてアニメ「タッチ」の主役・上杉達也の声や、タレントとして「てん・ぱい・ぽん・ちん体操」の歌などマルチな活動で知られる三ツ矢雄二(64)がプロデュースと演出を担当する。ゲイであることをカミングアウトした三ツ矢が立ち上げたLGBTシアターの第1弾。三ツ矢は「最近、耳にするようになった『LGBT』という言葉。Lはレズビアン、Gはゲイ、Bはバイセクシュアル、Tはトランスジェンダーを意味します。性的マイノリティーであるLGBTとは何かを理解していただくために、この劇団を立ち上げました。LGBTで悩んでいる人にも、悩みの解決の糸口になれば」と話している。

小野は三ツ矢の演出について「すごく細かく丁寧に演出してくれます。セリフの言い方も『かわいく言ってね』とか『きれいに』『美しく』と指示してくれます。違和感なく、ゲイ役だと言うことを意識せずに、自然な形で役に入っていけました」と話している。

現在、日本テレビ系連続ドラマ「わたし旦那をシェアしてた」(木曜午後11時59分)に出演中。殺人事件の謎を追う鑑識官を演じている。「ドラマの現場は、久々だと緊張しますね。ドラマはランスルー(通し稽古)をして本番、そして一発OKという場合もある。あっという間と感じることもあります。舞台だと長い間稽古をするから、勝手が違いますね。ただ、ドラマだと撮っている時に、どこの部分を使おうとしているか分かるから、やりやすいこともありますね」。どちらもにも、それぞれの魅力があるとした上で「舞台の面白さは、やっぱり“生もの”の面白さ。やってる方でも、お客さんの空気が分かるので集中力が高まっていく。それはドラマにはない、舞台の魅力ですね」と話している。

来月9日には30歳になる。「自分が、まさか30歳になるとは思っていなかったですね」と苦笑い。「たまに、鏡とかを見て『老いたな…』と感じる瞬間があります。年齢は体に出るっていうから、健康に気をつけて、仕事にもっと真剣に取り組んでいきたいですね。30歳を迎える節目で、ドラマと舞台、この2つの大事な仕事に出会えたのはいいタイミング。大事にしていきたい」と話した。【小谷野俊哉】

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◆小野健斗(おの・けんと)1989年(平元)8月9日、東京都出身。モデルを経て、06年に「ミュージカル・テニスの王子様」で俳優デビュー。09年映画「花婿は18歳」。10~11年テレビ朝日「天装戦隊ゴセイジャー」。11年映画「天装戦隊ゴセイジャーVSシンケンジャー エピックon銀幕」。16年舞台「おそ松さんonSTAGE~SIXMEN'SSHOWTIME~」。趣味は車、野球、ゴルフ。187センチ。血液型O。