海老蔵休演も勸玄君は無事舞台終える 涙ぐむ観客も

左から堀越勸玄、市川海老蔵(2019年1月14日撮影)

市川海老蔵(41)が急性咽頭炎のため休演した「七月大歌舞伎」(東京・歌舞伎座)の昼の部が16日、行われた。

「外郎売」は、長男堀越勸玄君(6)が4分近い早口のせりふを披露する演目。本来なら海老蔵と勸玄君が一緒に登場し、早口せりふの間は、隣に海老蔵がいる。この日、勸玄君は市川新蔵と花道から出て、本舞台へ。せりふ、立ち回り、みえを無事にし終え、観客からは大きな拍手が送られ、涙ぐむ人もいた。

海老蔵が述べていた劇中口上は、中村梅玉が述べた。「彼(=勸玄君)も父の不在で心細いと思いますが、一生懸命つとめます。おうようのご見物のほど、私も海老蔵に成り代わり、何とぞお願い申し上げます」と言うと、勸玄君も「お願い申し上げます」と大きな声であいさつした。

また、昼の部「素襖落」は、市川右団次が代役をつとめた。

この日、海老蔵はブログに、勸玄君が海老蔵の鏡台を使いたいと言ったことを記し「どんな気持ちなのか、わかりませんが、頼もしいです」とした。体調については「炎症が気管支にも広がっていたので、炎症抑える点滴です」と、回復につとめる様子をつづった。

海老蔵は15日の夜の部「星合世(ほしあわせ)十三團 成田千本桜」から休演している。16日は昼夜ともに休演した。「成田千本桜」は海老蔵が1人13役を務める通し狂言で代役がきかないため、中止となった。