加藤浩次の乱に同調 吉本興業、大量退社も

自宅を出て大崎洋会長との面談に向かう加藤浩次(撮影・小林千穂)

吉本興業所属の極楽とんぼ加藤浩次(50)が23日夜、所属吉本興業東京本部を訪れ、大崎洋会長(65)と緊急会談した。闇営業問題に端を発した宮迫博之(49)田村亮(47)の会見をうけ、加藤は吉本の現体制が続くなら退社と宣言していた。今日24日、日本テレビ系「スッキリ」で会談の内容や進退に言及するとみられる。同問題をめぐっては前日22日、吉本の岡本昭彦社長(52)が初会見し辞任を否定。加藤の動き次第では支持する芸人らの“連鎖退社”による大量離脱に発展する可能性も出てきた。

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加藤は23日朝、メイン司会を務める日本テレビ系情報番組「スッキリ」で、吉本の大崎会長と「今日の夕方に会う」と明かした。実際、同日午後5時48分ごろ、タクシーで吉本興業東京本部に入り会談を始めた。会談には加藤、大崎会長、吉本広報担当者が出席。約3時間に及んだとみられ、加藤は会談後、集まった多くの報道陣が気付かないルートで同本部を出て、同9時47分ごろ都内の自宅にタクシーで帰宅した。

自宅前で取材陣から「どんなお話を?」などと聞かれたが無言。「明日『スッキリ』で話されますか?」との質問には「はい」とだけ話し、自宅に入った。会談で加藤は自身の進退に言及しつつ、大崎会長、岡本社長ら吉本トップの辞任を要求するなどしたとみられるが、詳細は明かさなかった。今日24日午前8時開始の「スッキリ」で会談の内容や、自身の進退などを話すとみられる。

生放送のため加藤が何を述べるか流動的な要素もあるが、いったん吉本に「残留」する意向を明かすとの情報もある。ある関係者は「仮に退社を決めた場合、『スッキリ』で発表することは番組の私物化になる印象もあり、現実的ではない。まだ一連の騒動がどう収束するか、どちらに転ぶか分からない要素もあり、加藤が最終的な結論を出すのは早急にもみえる。いったん残留することになったのではないか」と話している。

加藤は前日22日朝には「スッキリ」で、宮迫と亮の緊急会見を受け「(経営陣の)この体制が続くのなら会社を辞める」と怒りを爆発させ、退社も辞さぬ覚悟を生放送で明かしていた。22日夜まで行われた岡本社長の会見をうけ、加藤は23日にも同番組で「見ていて、僕の気持ちは熱くならなかった」と話すなど“狂犬キャラ”と呼ばれた通り、体制に忖度(そんたく)しない姿勢をみせ「加藤の乱」とも呼ばれた。

若手や後輩、仲間の多くの吉本芸人からも加藤を支持し、理解を示す声が相次いだ。ハリセンボン近藤春菜(36)は23日、「スッキリ」生放送で「今後どうするかを芸人みんなで話していかないと。一緒にお笑いをやりたい先輩、同期、後輩がいるから、一緒に楽しくやるには、一番いいのはどうしたらいいのか選択をしていきたい」と賛同する構えをうかがわせた。

TBS系「ゴゴスマ」に生出演した友近(45)は、加藤がトップの辞任を求めたことについて聞かれ「その気持ちは分かる。上が変わらないと会社が変わらない」。北海道出身の平成ノブシコブシ吉村崇(39)はツイッターで23日までに「僕は北海道の人間です 何かあった時は北海道の人について行きます」と北海道出身の加藤に追随することをほのめかした。

加藤に同調する人は多く、関係者は「“加藤さんが吉本を辞めるなら私も辞める”と話している芸人は多い。状況次第では連鎖退社や大量離脱に発展し、事実上の吉本分裂になる可能性もある」と話している。