間宮祥太朗と渡辺大知コンビの漫才は驚きの完成度

漫才コンビ「きそばオートマティック」として漫才を披露する渡辺大知(左)と間宮祥太朗(2019年7月16日)

<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム>

27日スタートの間宮祥太朗(26)主演ドラマ「べしゃり暮らし」(土曜午後11時15分)の会見を取材した。

森田まさのり氏の同名漫画が原作で、高校生漫才コンビの成長を描く青春物語。ドラマには間宮と渡辺大知のコンビ「きそばオートマティック」のほか、複数の漫才コンビが登場する。笑いのプロである劇団ひとりがドラマ初演出を手掛けることから、俳優陣がどんな漫才を見せるかが見どころの1つと言えるだろう。

映画でもドラマでも、原作ありの作品、特に技術が問われるものでは原作主人公のパフォーマンスと俳優の演技が何かと比較されてしまう。あくまで俳優なので、プロではない。だが原作とのイメージに落差があると、見ている側が気になってしまうのも本音だ。

その点で言うと「べしゃり暮らし」の漫才にはかなり期待している。会見で間宮と渡辺が漫才を披露する一幕があったのだが、完成度の高さに驚かされた。

まず、マイクの前に立つ2人の姿が漫才師然としている。前のめり気味のボケの間宮、暴走を止めるツッコミの渡辺という構図で、オーソドックスだがちゃんとしている。ネタはライターによるものと思われたが、芸人らしいあいさつに始まり、客イジリ、設定を変えながらテンポよくボケ、つっこむ。違和感なく再現できるのは、2人がかなりの練習を積んだからだろう。

ドラマの撮影では3分ほどのネタのシーンも、アドリブで7、8分にまで膨らんでいったそうだ。この日も「さわりだけ」と言っていていたが、結局約8分間の長尺漫才になっていた。間宮は「そんなにかっちりしたネタではなかったので、アドリブも必然的に入っていきましたね」と事もなげに振り返った。

失礼ながら記者は「スベるに違いない」と思っていた。でも気付いたら普通に笑っていた。率直な物言いで知られる弘中綾香アナウンサーも「正直、期待以上でした」と話していたから、誰もが質の高さにびっくりしたのだと思う。

渡辺は会見で「毎話のたびに漫才が成長していくのを見守ってほしい。がむしゃらさが伝わると思う」とコメント。第1話からこの水準ではないのかも知れないが、漫才の上達を見守りながら、ドラマを楽しみたいと思う。【遠藤尚子】