加藤浩次は残留「辞める」本心も吉本は変わっていく

加藤浩次

極楽とんぼ加藤浩次(50)が9日、メインMCを務める日本テレビ系「スッキリ」(月~金曜午前8時)に出演し、吉本興業に残留する意向を明らかにした。

また、吉本が改革案として打ち出したエージェント契約は、加藤が提案したものだったと明かした。

番組冒頭、加藤は「宮迫(博之)さん、(田村)亮の会見の後、僕が言った発言もあります。上層部が辞めないと僕が辞めると言った発言もある。ここまでず~っと黙ってきたんですけど、このタイミングで全部話したいと思います」と宣言した。

番組では、吉本興業が8日に同社の経営改善を助言する「第1回 経営アドバイザリー委員会」を開き、委員会の提言などによって、すべてのタレントと共同確認書を交わし、タレントの希望に応じてマネジメント契約またはエージェント契約を結んでいくなどの方針としたニュースを報じた。

加藤は「まずこの経営アドバイザリー委員会というのは、吉本興業が考えたことを経営アドバイザリー委員会で話し合ってどうするか。だから吉本から提案されたことをどうするんだ、という委員会と言う風に皆さんとらえていただきたい。不正があったことを暴く組織ではない」と説明。先月22日の「吉本を辞める」という発言について「宮迫さんと亮が謝罪会見をした。この会見というのは、吉本を通さず、自分らだけで会場も決め、手伝ってくれる人も集めやった会見。その中で会社が会見させてくれない、と言っていた。それで僕は怒ったわけです。謝罪したいという人間を謝罪させない会社は何なんだ。それで、僕は1日空いて上層部が変わらなければ、大崎さん、岡本社長が退かなければ、僕は吉本を辞めますという発言をさせていただきました。このときの発言というのは僕自身にもウソはないし、そういうつもりでいました。そうなってもいいや、と。僕自身、そういう気持ちが強いし、本心でそう思っていました」と振り返った。

その後、「それに対して、マスコミが盛り上がっていくわけですよ。加藤の乱と言われ、松本さんとのバーサス構造が作られて。僕はずっと傍観してました。あれっ、ていうことが何度もありました。『上層部が変わらなければ(辞める)』という発言の後、スッキリが終わるのが10時半ですから、12時過ぎに松本さんから電話を頂いてます。『いろいろすいません、生意気なことを言って』と僕がいったら、『加藤の気持ちも分かる。お前の考え方もあると思う。お前から見てる景色もある。これは実際吉本を変えていかなアカンな』ということを松本さんと話をしました。だからこの発言をしたときから、そこのバーサス構造、僕が革命を起こす、乱を起こすということは水面下では全くなかったんです」と明かした。

加藤は「日本のマスコミ、夜の報道番組ですら、対決構造のフリップで話している」と対決をあおった報道に苦言。23日に大崎会長と話した際は「会社を一から変えるから、会社を辞めないでくれ、と言われました。大崎さんがOK出してくれたらそれで終わります。それで火消ししましょう、という話をしました」と説明。その後、芸人仲間から慰留が続く中「25日か26日、松本さんと話しているときに、松本さんが『俺は、吉本の芸人ひとりも辞めず、吉本を改革したい、ということを言ってくれた。それはお前も入っている。芸人のチームは一枚岩になって、会社と戦うとできないか』と言われた。1人で辞める方が気持ちいいだけじゃないか、という変化がありました。」と苦悩を明かした。

加藤は「じゃあ、どうしたら吉本の内部にいたらできるんだろう。昨日(提案された)エージェント制度。これは僕が思いつきました。海外はタレントが非雇用主じゃないんです。雇用主なんです。海外は対等です。全部吉本を通すんじゃなくて、いろんな選択肢を自分が持てて、そのエージェントとなる会社、そこと対等に芸人がなれる関係は作れないか、といろんな人に相談しました。エージェント契約があれば、僕は吉本が変わると思う。僕もエージェントとして契約として残るという気持ちはある」と残留の意思を表明した。

加藤は続けて「松本さん、浜田(雅功)さん、東野(幸治)さん、岡村隆史、ココリコ、ロンブー淳、いろんな人と話をしました。いいな、といってくれる芸人もいました。松本さんは『エージェント契約がOKなら残るんだな』と言われて、松本さんから大崎さんに『会社が今後やっていかなアカンやろ』と松本さんから大崎さんにしていただきました」。その後「6日の日に、やっと大崎さんと2回目の会談を開いています。このときに、エージェント契約という話をして、ああいう言葉を吐きましたけど、こういう形なら残ります、という話をさせていただきました」とし、「エージェント契約、これで吉本と向き合おうと思っています」と再度、残留を明言した。

加藤は翻意について「辞めるという風に言ってしまいました。でも今回、いろんな思いがあって、このエージェント制というのを提案させていただいて、こういう形になっている。ですから、吉本にこれは、残る形ということになってしまった。これはみなさんに、僕の発言でいろんな方に迷惑をかけた方、一緒に仕事をやっている方にも迷惑をかけたし、テレビを見ている視聴者の方にも、もういろんな意味で心配をしていただいた方もいますし、う~ん、加藤浩次は言ったことを実行しないのか、と思う方もいると思います。そういった迷惑をかけた方たちに僕はちょっと、本当に謝罪したいと思います。本当にすいませんでした」と一礼して謝罪。MCの水卜麻美アナから、考えを変えることも覚悟が必要とフォローされ「そういってくれればありがたいけど。(会社が変わるかは)そこは願望に近い部分もあります。僕自身も吉本に世話になってきている部分もありますし、吉本興業でこの世界に入って、ネタも何にも作れないようなヤツが、1個ずつ、劇場があることによって舞台を踏んで、ちょっとでも受けるネタ。最初なんか僕ら、ネタなんか全くウケなかったですし、ネタで上がってきた人間でもないんですよ、ここまで。でもその訓練をさせてくれたのが吉本興業だから、そこに対しての恩義もあるって言うのがあるんですけど、現状では願望としか言えない、水卜さん。良くなって欲しい、良くなる方向に風が向いている、みんなの顔が向き出している、ということでこの決断をさせてもらいました」と話した。

そして加藤は「ここで終わってないですからね、本当に。ここからみんな同じ方向向いて。たぶん契約の問題ですから、時間かかると思う。契約書もしっかりしたのを作らなきゃいけないだろうし、会社の言い分もある、こっち側の言い分もある。その契約書をまとめるのに1年、2年かかるかもしれない。でもただ、そこにいい方向に向いて、『うわ、吉本いい会社だな、いい方向向いているな』って。その形が見せられればいいなと、僕は思ってます」と締めた。

 

◆エージェント契約 国内の芸能事務所で主体だった専属マネジメント契約と異なり、仕事量やマネジメント業務の範囲を、タレント側の自己裁量で選べる形態。ギャラの契約などで事務所との間に代理人を立てることも可能。加藤は「スッキリ」で、YouTube動画など、SNS運用を個人でできる可能性も示した。8日の吉本興業経営アドバイザリー委員会で、川上座長は「大リーグなども取り入れている」と説明。「タレントと会社でWin-Winの関係になる」としたが、発展途上のタレントに仕事が回るのか、事務所側が専属マネジメントのタレントに優先的に仕事を回すのではないかなど、運用に不透明な部分も残る。