菅田将暉は「第2の福山雅治になれる」/プロが評論

福岡でツアー初日公演を開催した菅田将暉

「ミュージシャン菅田将暉」を音楽のプロはどう見るのか。音楽評論家で尚美学園大学副学長の富沢一誠氏(68)は、演技と音楽、双璧の才能があるとして「第2の福山雅治になれる」と高く評価する。

初めて歌声を聞いたのは、17年映画「キセキ-あの日のソビト-」でGreeeenのメンバーを演じた菅田を含む出演者で結成したグリーンボーイズ。「すごくうまいなと思いました。俳優だと歌はそこそこということも多いが、相当音楽のキャリアがあると感じました」。ソロデビュー前だったが「もともと音楽的志向があったと思う。福山君も山崎まさよし君もそうだった。女性で言うと今井美樹さんに近い」と才能を評価した。発売中の新アルバム「LOVE」も聞いたが「モノが違う」という。

歌手としてのブレークも、あくまでタイミングの問題と強調する。「ビジュアルも良く、演技力もあるので俳優として先に売れた。音楽が先でもまったくおかしくなかった」。父親が吉田拓郎が大好きで、その影響も受けた。親交があり音楽的刺激も受け、曲提供されている米津玄師やあいみょんも、富沢氏は「音楽的には、吉田拓郎、井上陽水を源流とした正統派シンガー・ソングライター」といい、「配信で売れたり新ジャンルのように見えるが、菅田君も同じ正統派。日本人好みのジャンルで、もしも拓郎や陽水が今20代だったら、菅田君のような曲を歌っていると思う」。将来性については「音楽だけでも十分勝負できるが、1つに決める必要はない。福山君のように両立できる才能がある」という。