吉沢亮が大河で渋沢栄一役「想像できない」一問一答

第60作NHK大河ドラマ「青天を衝け」制作・主演発表会見であいさつする主演渋沢栄一役の吉沢亮(撮影・垰建太)

NHKは9日、都内で、2021年放送の大河ドラマの発表会見を行い、実業家の渋沢栄一を主人公にした作品「青天を衝(つ)け」になると発表した。

現在、放送中の連続テレビ小説「なつぞら」に出演し、主人公なつの幼なじみの山田天陽を演じた吉沢亮(25)が大河初出演で初主演を務める。また、大森美香氏が初めて大河の脚本を担当する。

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以下、吉沢の一問一答。

-はじめに

吉沢 歴史ある大河ドラマの60作目の主演をやらせていただくということで、とても光栄に思っております。大河ドラマの主演を歴代務められてきた役者さんは、名実ともにトップクラスの、すてきなすばらしいすばらしい役者の皆さんが演じてきた印象が強い。そんな中で僕にお話を頂いて、ものすごく光栄だなと思う反面、プレッシャーも尋常じゃないくらいあって、今の僕にこの大きな作品の中で、真ん中に立って何ができるんだろいうという不安はあるんですけど、そこは精いっぱいやりたいな、と。渋沢栄一という人間の人生を、しっかりエンターテインメントととして、楽しく皆様に届けられるように、精いっぱい頑張らせていただきます。

 

-これまで記憶に残る大河

吉沢 お恥ずかしい話で、歴代の大河を追ってきたわけではないんですが、「新撰組!」(04年)はすごい大好きで全部見させていただいたんですが、出演されている皆さんカッコイイんです。とにかく佐藤浩市さん演じる芹沢鴨が、びっくりするくらいカッコイイという印象。芹沢を暗殺するその前日に、近藤(勇)さんと話すシーンが印象的で、「鬼になって俺を食っちまえよ」みたいなセリフが衝撃で、いまだに残っています。

 

-「なつぞら」の天陽は36歳で亡くなる役だが、渋沢は長寿で対照的。楽しみな部分は

吉沢 91歳まで生きるという、91歳の芝居って今は全く想像できないんですけど。やっぱり1年以上、なつぞらよりも長い期間、1つの役を演じさせていただく機会もなかなかないと思うし、勉強になることもたくさんあると思いますので。その分、不安も結構大きいんですが、今まさに渋沢栄一さんを勉強している最中。人間を知っていって、しっかり演じられればと思っている最中です

 

-渋沢栄一の印象は

吉沢 このお話をいただく前の渋沢さんって、次のお札の方というイメージが強くて、あまりそれ以外のことはなかったんですけど、調べていくと、ここがすごい印象的、というエピソードが人生の中にたくさんあって。本当にいろんなことをされている方なんですけど、一貫して思うのは、彼が大切にしている道徳的な部分、利益というものの前に道徳という部分。言葉で印象的だったのが、「公益を考えた上での私利でなければ本当の私利ではない」みたいなことをおっしゃっていて、その人生観がすばらしいという印象があって、そういう部分は大切に、人に愛されるキャラとして作っていきたいと思っています

 

-「なつぞら」で大河に生きそうだと思った部分は

吉沢 何ですかね~。正直、天陽君を演じている時は、撮影が月に1回くらいのペースだったので、あまり大変じゃなかったんですよ(笑い)。想像を絶する大変さが今後待っているんだろうなと思うんですけど…なんだと思いますか?(笑いながらNHK菓子制作統括に訪ねる)。仮面ライダーとかもやったことがあったので、1年間1つの人物を演じるということは経験したことがあるんですけど、そこの中で年が成長して役自体が成長していくということをやったのは「なつぞら」が初めてだった。17歳くらいから36歳くらいまで、20年間の人生を演じさせていただいたので、年を取っていく課程を経験できたのは大きかった。表面的な部分だったり、表情の変化で年の変化を感じさせるお芝居ってやったことなかったので、そういう部分は生きるかな、と思います。

-来年夏の撮影までに準備や受けているミッションは

吉沢 それはこれから調べていって、今後に何が必要なのか探している段階なので、今なにか、皆さんにこうして欲しいと言われているわけでもなく、とにかく渋沢栄一さんが今までやってきたことだったり、どういう人間性かをもっと掘り下げて、その上で必要なことをやっていく、という感じです。

 

-主演を知らされた時の驚きと、今日まで誰にも言えずに過ごしてきた気持ちは

吉沢 大河ドラマの主演ですから、とんでもないことじゃないですか。まさか自分に来るモノとは思ってもないので。話を聞いたのは、1カ月半くらい前、何も知らされていないときに、大森さんと(NHK制作統括の)菓子さんと話す機会があったので。その時はただお話するだけで、大河の話も出ず、何だったんだろうと思ってたら、数日後にマネジャーさんから「大河の主演決まりました」と言われて。ビックリしすぎて、「大河って別にもう1コ枠ありましたっけ」みたいな。全然信じられなかったですね。緊張とか、そういうレベルまでいかない、というか。そこから1カ月半の間はマネジャーさんに『もしこれが発表する前に漏れたら、主演代わったりするからね』とすごい脅されて、ビクビクしてました。誰にも言えないんだって。すごいビクビクしてました。安心してます、今(笑い)

 

-同じ所属事務所で大河主演を務めた福山雅治や上野樹里らに聞いてみたいことは

吉沢 それだけ長い期間、結構な分量をやるわけですから、どうやってセリフ覚えるのか、とか。絶対大変じゃないですか(笑い)。あと体調の管理の仕方とか。今まで経験したことないことばっかりだと思うので。本当、体調管理とかは聞いておきたいですね

 

-「なつぞら」では天陽が36歳の若さで亡くなり、ネット上で「天陽ロス」という言葉が生まれた中での大河主演発表となった

吉沢 ありがたいですよね。しかもタイミングとしても先週まで天陽の最後の週で、「天陽ロス」という言葉も、僕の元にも、いろんな現場で会う方から言っていただいたりして届いていて、そのタイミングでこれ(大河主演)が発表になるというのが、バッチリだな、って。こんなことあるの? ぐらいのバッチリ感なんですけど。天陽で僕のことを知ってくださった方もたくさんいると思いますので、またその天陽と違う面白さみたいなものも届けられるように頑張りたいと思います

 

-吉沢を知らない人に向けて、自分のアピールしたいところは

吉沢 難しいですね…(笑い)。今まで歴代の主演の方を考えると、本当にすごい人、お芝居のすばらしい人ばっかりがやられてきた。その中で僕が主演をやるという不安だったりとか、とにかく精いっぱいに役を演じるということしか頭にないから、何を見てもらうか…何をみてもらうんですかね。そういう意味では、フレッシュさというか。今までの安定というか、すばらしいお芝居やられてた方と並べられると力不足な部分はあるとは思うんですが、そういう部分も含めて、全力でフレッシュに、この役を1年間以上かけて、全力で駆け抜けたいと思いますので、そういう部分を楽しんでいただければ、うれしいのかな、と思います。