石坂浩二「礼の言葉しか」八千草さん悼む声まとめ

第40回日本アカデミー賞で会長功労賞を受賞した八千草薫さん(2017年3月3日撮影)

宝塚歌劇団出身で、ドラマ「岸辺のアルバム」などで知られる女優八千草薫(やちぐさ・かおる、本名谷口瞳=たにぐち・ひとみ)さんが24日午前7時45分、すい臓がんのため都内の病院で亡くなった。88歳だった。

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▽俳優石坂浩二(ドラマ「やすらぎの刻~道」などで共演)「(最後に会った収録現場では)とてもお元気だったんですが。こういう日が来てしまった。(初めて会った際は)本当にドキドキというか。憧れの人に会うのはちょっと息ができない感じ。寅さん的に言えばマドンナ。ちょっと前のように、すぐ死んでしまう時代でもないんで、負けないんだろうと思っていたんですけど。礼の言葉しかないですけど、もう一度ぜひ、ご一緒したかった」

▽女優風吹ジュン(ドラマ「岸辺のアルバム」「阿修羅のごとく」などで共演)「つらいです…。これまでのいろいろな八千草さんを思い出します。「やすらぎの刻~道」代演の”しの”を演じるうえで、私の指針となる方です。存在は大きく、八千草さんが意識から離れる事はありません。これからも……。ご冥福を心からお祈りします」

▽女優有馬稲子(宝塚歌劇団の後輩)「2年先輩の八千草さんと初めてお会いした時は、お人形さんのようでびっくりしました。そのままお年を召しても変わらずにいらっしゃったのは、ステキなことだと思っておりました。お仕事も順調になさって、とっても幸せな人生だったと思います。ご冥福をお祈り申し上げます」

▽女優中田喜子(舞台「岸辺のアルバム」で共演)「いつも穏やかで、チャーミングな八千草さんの笑顔が忘れられません。完治なさると思っていましたが、残念です」

▽女優浜木綿子(舞台「放浪記」などで共演)「本当に美しい方で芯には強いものをお持ちでした。あのお年まで美しさを保っていらっしゃいましたし、まだまだおやりになりたかったと思います。最後にお会いしたのはある方のお葬式でした。養生していらっしゃったと思いますが、本当に残念です。また一人、また一人と上級生がいらっしゃらなくなって寂しいです」

▽俳優の渡辺謙「八千草さん、穏やかな、それでいて奥に強い芯があるあの笑顔が見られなくなるのは悲しいです。引きながら際立つ稀有(けう)な先輩でした。ゆっくりお休みして下さいね」

▽石井ふく子プロデューサー「存在しているだけですてきな方でした。全身からふしぎな色気が感じられ、透明感があり、年齢を感じさせない方でした。映画スターさんだったので、最初テレビにはご縁がなかったのが『日曜劇場』にご出演していただけて、うれしかったことを覚えています。それ以来テレビや舞台でお仕事させていただきました。やさしい心の中にしっかりと芯を持った方でした。日本の女性を象徴とするような美人女優さんで、和服がよくお似合いでした」

▽TOKIO国分太一(主演映画「しゃべれどもしゃべれども」で共演)「現場ではいつも優しい目で見守ってくださいました。その空気の中でたくさんのことを学ばせていただき、感謝しかありません。八千草さんゆっくり休んでくださいね」

▽女優檀れい(宝塚歌劇団の後輩)「宝塚音楽学校生の頃、舞台メークをした八千草さんのお写真を拝見し、白百合のような娘役姿に心を奪われた思い出があります。こんな娘役でありたい。私の憧れの方でした。そんな八千草さんとドラマで共演させていただき、あまりにも優しく、温かな日だまりのようなすてきな方でした。憧れの娘役の方、八千草さんとひとときでもご一緒出来たことは私の宝物です」

▽宝塚歌劇団・小川友次理事長(14年宝塚歌劇100周年式典の思い出にも言及)「宝塚の娘役を体現したような上品さと可憐(かれん)さを併せ持った稀有(けう)なスター。2014年の宝塚歌劇100周年の際には、宝塚大劇場の舞台で、楽しいお言葉の数々をちょうだいいたしました」