ダルビッシュへの箸の持ち方論議に茂木氏は擁護

茂木健一郎氏

カブスのダルビッシュ有投手の箸の持ち方に関する発言を批判するネットの声に、脳科学者の茂木健一郎氏が「ダルビッシュさんのような卓越した身体能力を持つアスリートに、お前の箸の持ち方はダメだなどと言う蛮勇というか勘違いはすごいなと思う。(笑)」と私見を述べた。

事の発端となったのは、ダルビッシュの4日のツイート。小学生ユーチューバーゆたぼんの箸の持ち方に「おかしい」とする批判的なコメントがネット上に相次いだことに言及。「ゆたぼんさんのお箸の持ち方どうこうってあんなん俺からしたら上手く持ててるからな。自分で言うのは変やけど俺は酷い。てか他人が箸で攻撃してくるわけでもないのに、なんでそんなん叩くんやろ。歩き方、走り方変で叩かれなくない?」と疑問を呈し、続けて「ちなみに俺の箸の持ち方。よくないのはわかるんやけど、『正しい持ち方』ってのが昔から使いづらすぎるねん。これが令和のスタンダード」と、自身の箸の持ち方を撮した動画を公開した。

これらのツイートは賛否を呼び、ネット上ではマナーに関する論争が勃発。ダルビッシュに対する批判的なコメントも多く、ダルビッシュは反論を続けている。ネット上で思わぬ騒動となったことを受け、5日までにツイッターアカウント名を「ダルビッシュ箸」に変更した。

この論争を受け、茂木氏がツイッターで「ダルビッシュさんがツイートしているように、そもそも『正しい箸の使い方』というのがどこの誰がいつ考えたものかわからないし、合理性うんぬんも評価関数や根拠が怪しいから、ぼくは基本的に箸の使い方は自由でいいと思うけれども、それを『マナー』の問題にしてしまうところが、日本だと思う」と言及。“マナー至上主義”の人について「マナーも大切だけれども、ときにはマナーにおける非典型的な行動をとっても、個人の権利、自由、幸福追求を探求していいんだという洞察がない。マナー以上に、知性や感性がのびない。そうなったのは日本の教育のせいだということもあるけれども本人たちももう少し自分の頭で考えたらどうか」と批判した。

また、ダルビッシュの箸の持ち方に対する批判の声に「ダルビッシュさんのような卓越した身体能力を持つアスリートに、お前の箸の持ち方はダメだなどと言う蛮勇というか勘違いはすごいなと思う。(笑)」とチクリと刺し、「日本においては『マナー』や『世間』は誰でも最強のラスボスになるマジックアイテムである。そろそろマナー依存症から目覚めればいいのに」と結んだ。