たかね吹々己「ベストを」徹底対策で最後の舞台実現

「美しい人」で大きな鳥を熱演するたかね吹々己(撮影・上田博志)

元宝塚歌劇団雪組トップスターたかね吹々己(旧芸名・高嶺ふぶき)が、京都府立文化芸術会館で、引退前最後の舞台「美しい人」の開幕を無事に迎え、初日から一夜明けた11日、コメントを寄せた。

たかねは、5月に甲状腺乳頭がんの手術を受けるのを機に芸能界を引退し、山口・周防大島で、旅館のおかみに就く予定。前日10日に京都府立文化芸術会館で、特別出演する「劇団とっても便利」のミュージカル「美しい人」の初日(12日まで)を迎えていた。

「こんな中でも見に来てくださった数少ないお客様が、本当に楽しんでくださっていたのが感じられましたので、ベストのものをお見せしようという気持ちが、舞台に立っている間もどんどん高まっていきました」と感謝。

ひとたび舞台に立てば「若い出演者たちの一生懸命やっているエネルギーや緊張感が迫ってきて、私はその熱さをすべて受け止めて出し尽くそうと思いました。この公演を、最後の公演にして本当に良かったと感じています」と語った。

舞台をめぐっては、劇団代表で脚本家の大野裕之氏が、会館側にも確認し、事前に最大限の新型コロナウイルス感染拡大への防止策を検討。大野氏は「お客様の熱を測る、手指消毒、間隔を開けて入っていただく、間隔をあけて座っていただく。お客様のリスクを限りなくゼロにするために、徹底した対策をとろう」と協議を重ねてきた。

コンサートでは客席からも声が発せられるが、芝居では、観客は当然ながら沈黙している。扉の極限までの開放や、観客側へのリスク回避だけではなく、出演者側の状況も考慮。楽屋を広くとるなどの措置をし、公演を実現させた。