俳優の志賀廣太郎さん死去 71歳、誤嚥性肺炎

志賀廣太郎さん(15年2月撮影)

俳優の志賀廣太郎さんが20日午後8時20分、誤嚥(ごえん)性肺炎のため亡くなった。71歳だった。所属事務所のレトルが30日、発表した。

「2019年春に脳梗塞で倒れて以降、復帰に向けてリハビリを続けてまいりましたが、かないませんでした。ここに生前のご厚誼を深く感謝するとともに、謹んでお知らせ申し上げます」

葬儀は遺族の意向により、29日に近親者のみで執り行ったという。

志賀さんは18年4月、体調不良から翌19年1月から放送のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」を降板。同年のテレビ東京系ドラマ「きのう何食べた?」(金曜深夜0時12分)にも筧悟朗役で出演していたが、脳血栓のため緊急手術を受けて降板していた。

所属劇団「青年団」主宰の平田オリザ氏も「劇団員の志賀廣太郎が、2020年4月20日午後8時20分、誤嚥性肺炎のため満71歳で永眠いたしました。2019年春に脳血栓で倒れて以降、復帰に向けて懸命のリハビリを続けてまいりましたが、かないませんでした」とツイートした。

志賀さんは中学時代から演劇を始め、桐朋学園大短期大学部専攻科演劇専攻を終了した後に、ドイツに留学。その後、母校で非常勤講師を勤める中、41歳で平田氏と出会い、同氏の青年団の舞台に立って入団したという、遅咲きの役者デビューだった。

95年にアップルのCMで一躍、スポットライトを浴び、そこからCMなどにも多数、出演するようになった。13年のTBS系「半沢直樹」の牧野社長役、17年の同系「陸王」の富島玄三専務役など、存在感のある演技で脇役として欠かせない存在と評判を呼んだ。

また、14年に第1弾が放送されたテレビ東京系「三匹のおっさん」シリーズでは、夜回り自警団「三匹のおっさん」の有村則夫役と、メインどころの役を演じたことも話題となった。また俳優を務めながら、母校での指導を続け、後進の育成にも尽力した。

お別れの会は、新型コロナウイルスに関連する一連の状況を見極めながら、遺族や青年団と相談の上、開催する予定だという。