山本寛斎さん、忘れられないパワフルさと照れ笑い

トルコでファッションショー「ハロー イスタンブール!!」を開催した山本寛斎さん(2014年10月12日撮影)

ファッションデザイナーでイベントプロデューサーとしても活躍した山本寛斎(やまもと・かんさい)さんが21日に都内病院で、急性骨髄性白血病のため死去した。76歳。27日、寛斎さんが代表を務める山本寛斎事務所が公式サイトで発表した。

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6年前、山本寛斎さんがトルコ・イスタンブールで行ったファッションイベントを取材した。インタビューではパワフルそのものだった。

寛斎さんとはたまたま、宿泊ホテルが一緒だった。カフェで朝食を取っていたら、寛斎さんが1人で通りをながめていた。その姿があまりに静かだったので、そっと出ようとしたのだが、記者を見つけると隣に呼んだ。

中学、高校時代は水泳部で県大会で2位になったこと(1位はベルリン・オリンピック(五輪)水泳女子平泳ぎ金メダリストの前畑秀子さんの息子だったとか)、冒険家植村直己さんのファンだということ、お酒は飲むけど量は減ったということ、トルコのファッション、国内情勢や難民問題、日本の教育…。途中、寛斎さんは「旅に出ると甘いものがほしくなるね」と、笑ってデザートを取りに行った。

帰国して数週間もたたないころ、東京・高尾山への玄関口の駅で寛斎さんとばったり会った。家族と一緒の寛斎さんは、パワフルなイメージとはちょっと違っていて、照れたようにあいさつしてくれた。その笑みを今、思い出している。【小林千穂】