＜YouTuberが新聞に！！＞

今、ユーチューバーがアツい。勢いがある話題のユーチューバーに話を聞く連載「YouTuberが新聞に！！」（随時掲載）の第2回は「2020年上半期ブレイクタレント」で4位にランクインしたユーチューバー芸人、フワちゃん。今やテレビで見ない日はないと言っても過言ではない存在だ。登録者数70万人超のYouTubeチャンネル「フワちゃんTV」がブレークのきっかけだが、実際に話を聞いてみると幅広い層に支持される理由が見えてきた。一見、破天荒に見える裏には周囲への“感謝の思い”があった。

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フワちゃんの勢いが止まらない。「2020年上半期ブレイクタレント」で4位を獲得。前年には、わずか5番組だったテレビ出演は107までに急増した。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだ。「テレビで活躍したいというのは子供の頃からの夢だったのでめちゃくちゃうれしい」。そのきっかけがYouTubeだ。「一夜にして夢がかなったわけではなく、YouTubeがちょっと人気になって、それがテレビで紹介されて、コツコツと歩いてるうちにいつのまにか来られたんです」。

カラフルなスポーツブラにホットパンツ姿で自撮り棒を手に「おはぴよ～！　フワちゃんで～す！」のハイテンションあいさつで始まる「フワちゃんTV」。国内はもちろん海外にも出かけ、そこで出会った人たちとの絡みや現地でさまざまなことへ挑戦する動画で人気となった。「普段、気になったことを企画にすることが多いですし、友達としゃべりながら決めるのが多いです」。企画、タイトル、サムネイルはユーチューバーが伸びる“三種の神器”だが、「私は自分がやって面白いことを基準に考えています」と胸を張った。

テレビでの活躍が目立つ中、ここ数カ月、「フワちゃんTV」は1本もアップされていない。「みんな、忙しいからと思っているようだけど、動画を編集していると寝ちゃうんです。実は家に机がなくて、ベッドに座ってやっているので。アップをしていない、まさかの原因が『堕落』だったということをみなさんに改めて謝っておかないと…。今年中に机を買います！」。

元々は、お笑い芸人だった。だが事務所のお偉いさんに怒られた際の破天荒な態度でクビになったという。「お笑いでは優等生ではなかったけど私は面白いって自分で思っていた。でも自分の面白さが一体何なのか、自分でも分からなかった」という。そんな時、友人の勧めでYouTubeを始めた。「YouTubeには台本がない。自由に街でぶらぶらやってみたら『わかった、私がおもしろいのはここだ』って」。

自らを「わがままでお姫さま気質」という。「ちょっとでも歯車が狂えば周りの人は離れていくだろうし、今は本当にたまたま歯車が合っているけど、これはすべて周りの人のおかげ。自分の短所が長所に転がったのは、それを泳がせてくれた友だちや周りの人の力が大きいと思っています。YouTubeを始めたのも、芸人を始めたのも友だちの一言なので、だいぶ、いい島に送り込まれた感じです」。自身の長所を引き出してくれる周囲への感謝の言葉を繰り返した。

自分自身に常に警鐘を鳴らしている。ブレークしている現状を「ルーティンにしたくない」とし、「ちゃんと1日1回立ち止まって考えて、『これってめっちゃ幸せじゃん！』というのを取りこぼさないようにしている」。

大きな野望もある。「私の人生が作品というか、もうそのまんまドキュメンタリーや映画を見ているみたいな感じで楽しんでもらえたらすごくすてき。自分の人生がエンタメって、チョーわくわくするし楽しい。『この人の人生、今日はどうなってるのかな』と気になるような存在でいたい。私が何かに挑戦したことが、みんなも挑戦をするきっかけになったりとかしたら、すごくいいなと思う」。

カラフルな衣装でハイテンションに登場する姿とは正反対に、心の中では感謝の思いを忘れないフワちゃん。老若男女の幅広い層から支持をされる理由が分かったような気がした。【川田和博】

■大阪弁でのつっこみも練習

フワちゃんの地上波初MC番組、テレビ東京系「芸能人飼育バラエティ　視聴者様に飼われたい！」（午後10時）が10日に放送される。コロナ禍で仕事が減った芸人を本人同意のもとに監禁し、番組からの10万円の「給付金」をかけて、さまざまな「過酷な飼育生活」に挑戦する内容。「挑戦した結果だけでなく、その過程も見せるのは私が目指してる姿そのものだし、すごくすてき。大阪弁でのつっこみも練習したので、そこも注目してください！」。バイきんぐ小峠英二とダブルMC。

◆フワちゃん　本名、生年月日は非公開。東京都生まれ。大学在学中、ワタナベコメディスクールに入学。同スクール卒業後、ワタナベエンターテインメントに所属。17年にコンビ解散もあって事務所を退所。その後はフリーで活動。18年4月YouTube「フワちゃんTV」、19年4月にはサブチャンネル「フワちゃんFLIX」を開始。前者は自身が編集を手がけるこだわりの企画、後者で日常動画をアップしている。