尾上菊五郎9カ月ぶり歌舞伎座、「吉例顔見世」初日

「吉例顔見世大歌舞伎」の第2部「身替座禅」に出演する尾上菊五郎(左)、市川左団次(C)松竹

東京・歌舞伎座「吉例顔見世大歌舞伎」が1日、初日を迎え、第2部「身替座禅」で、尾上菊五郎(78)が、今年2月の公演以来、約9カ月ぶりに歌舞伎座の舞台に立った。

菊五郎は「10月の国立劇場の舞台までは、コロナ禍で出掛けるわけにもいかず、家に引きこもっていましたが、頭の中は芝居のことでいっぱいでした」と話している。

「身替-」は、恐妻家の夫と、嫉妬する妻とのやりとりが笑いを誘う作品。菊五郎の祖父、6代目菊五郎が初演し、音羽屋の家の芸「新古演劇十種」の1つでもある。

菊五郎は1978年(昭53)に、夫の山蔭右京を初役で演じて以来、今回が18回目。「とにかく気を大事にして、毎回新鮮な気持ちで演じています。家の芸ですから、これからも演じていきたいと思っています」。

新型コロナウイルス感染拡大防止対策として、今月も4部制がとられている。第1部は、市川猿之助が5役早替わりを見せる舞踊劇「蜘蛛の絲宿直噺(くものいとおよづめばなし)」、第3部は松本白鸚らによる「一條大蔵譚 奥殿」、第4部は中村獅童らによる「義経千本桜 川連法眼館」。26日まで。