小金沢昇司容疑者が釈放「すみません」4度頭下げる

釈放され頭を下げる演歌歌手小金沢昇司容疑者(左)(撮影・横山健太)

29日に、酒を飲んで車を運転したとして道交法違反(酒気帯び運転)の疑いで逮捕されていたことが明らかになった、演歌歌手小金沢昇司容疑者(62)が30日午後3時34分、警視庁湾岸署から釈放された。

小金沢容疑者は白のワイシャツに黒のスーツとネクタイ姿で、弁護士と並んでマスクをかけて湾岸署から出てきた。小金沢容疑者はマスクを外し、弁護士が約50人の取材陣に対して「どうもこのたびは、いろいろご迷惑をかけて申し訳ありませんでした」と謝罪すると、「すみませんでした」と頭を下げた。弁護士が「本日、ちょっと本人、体調が悪く、記憶も混乱していることから、後日改めて正確に整理してからコメント等したく思っています」と説明すると、小金沢容疑者は無言のまま、頭を下げた。そして「本当に申し訳ありませんでした」と2度にわたって頭を下げた。

「全く覚えてないんですか」という質問に「そんなことはないです」。さらに「どれくらい飲んだんですか」という質問がとんだが、弁護士にうながされて、答えることなく1分足らずで迎えの車に乗り込んだ。

所属レコード会社によると、今後の会見予定はなく、今晩にもコメントを発表する予定だ。

小金沢容疑者は、この日午前8時50分ごろ、シルバーのワンボックスカーで警視庁湾岸署を出て東京地検に向かい、取り調べを受けた。午後1時半ごろに湾岸署に戻っていた。

小金沢容疑者は28日、1人で車を運転し、東京都杉並区の環状7号線(通称環7)を走行、同日昼ごろにトラックに追突したという。現場に駆けつけた警察官が同容疑者の呼気検査をしたところ、基準値の1リットルあたり0・15ミリグラムをやや上回るアルコールが検出された。けが人はなかったという。

この日の検察庁の取り調べに対して「事故当日の午前中に酒を飲んだ」などと供述しているという。

突然の逮捕に周囲は対応に追われた。関係者によるとレギュラーラジオ番組「小金沢くんの波乗り歌謡曲」を29日放送予定だった西日本放送、山口放送、栃木放送などは放送の取りやめた。栃木放送は局公式サイトで休止と別番組差し替えを発表した。

また今月14日収録、12月12日放送予定のBS朝日「人生、歌がある」の出演シーンは取りやめになった。同19日の生放送は出演キャンセルする。同22日収録予定だったBSテレ東「演歌の花道」も出演キャンセルが決まったという。

小金沢容疑者は北島三郎の付き人をへて88年に「おまえさがして」でデビュー。92年のど薬のCMに「歌手の小金沢くん」として出演しブレーク。「ありがとう…感謝」「北の三代目」などの代表曲があり、14年北島音楽事務所から独立し、18年には歌手生活30周年を迎えていた。