<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム>
昨年3月、今月7日に亡くなった小松政夫さん(享年78)の躍動を見た。
東京・渋谷のNHKホールで行われた音楽イベント「RUN! HOPE! RUN!~N響×大友良英×いだてんコンサート~」でのこと。大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」のテーマソングや劇中歌、東京五輪が開催された64年当時の流行歌などを演奏・歌唱する企画で、小松さんは師匠植木等さんの「スーダラ節」を歌うために登場したのだった。
失礼ながら、真っ白な髪でステージに現れた小松さんに一瞬「大丈夫かしら」と思ってしまったのだが、いざ始まれば元気そのもの。ドラマに出演する中村獅童と峯田和伸に振り付けを伝授し一緒に歌うと、植木さんの代表的ギャグ「お呼びでない? こりゃまた失礼いたしました」も、しっかり披露していた。
取材ながら初めてレジェンドコメディアンを見られたことがうれしく、「いいものを見せてもらった」という高揚感で会場をあとにした。あれから2年とたたずに亡くなってしまうとは思わなかった。
30代の私は小松さんをよく知る世代ではないが、わが家では父親のスベリ発言を母親が「しらけ鳥音頭」でからかう、というやりとりが家庭内コミュニケーションの1つになっていた。それが小松さんの歌と知るのはだいぶ大人になってからだが、小松さんは家族の小さな思い出も作ってくれた。