井筒監督「彼女は出てくる」新作起用の柳ゆり菜絶賛

舞台あいさつに登壇した井筒和幸監督(撮影・松浦隆司)

井筒和幸監督(68)が19日、大阪市内で公開中の8年ぶりの新作映画「無頼」の舞台あいさつに登壇した。昭和のアウトローが主人公。極貧の中、道を外れるしか生きるすべがなかった井藤正治をEXILE松本利夫(45)が演じる。正治の人生を支えた妻佳奈を女優柳ゆり菜(26)が紅一点で演じている。

マスク姿で登場した井筒監督は「これ、苦しいな~。ほんと、息苦しいな」と苦笑い。同作は社会から頭を抑えつけられ、貧困や出自ゆえに社会からあぶれた者たちが織りなす群像活劇。146分の中には物事の核心を突く、地べたを這う者たちの「生きた言葉」が散りばめられている。

「コロナでふさぎ込んだ時代になっている。欲を出して生きるはずの人生が、欲望を抑え込まれる時代になってしまっている。コロナの気晴らし、何の気晴らしでもいい」。社会情勢に苦言を呈しながら、映画をPRした。

主演の松本と大阪出身の柳について「松っちゃは昭和顔だから選んだけど、彼女(柳は)風格ときっぷで選んだ。組を預かる姉さん役は東京の女優さんではなかなかいない」と絶賛した。

井筒作品をステップのメジャーになった女優や俳優も多い。井筒監督は「彼女(柳)は出てくると思います。僕は送り出す役、送り出し製造人だからね。悪いヤツもいっぱいいましたけど。まあ、いいや」と井筒節をさく裂させ、会場を笑わせた。