尺八、チェロ、ピアノの男性3人組音楽ユニット「KOBUDO」(古武道)の尺八・藤原道山が大阪市内で日刊スポーツの取材に答え、通算8枚目の新アルバム『HORIZON』(ホライズン)のリリースライブをPRした。
アルバムは昨年10月30日発売で、コロナ禍の影響で1年以上遅れの大阪でのお披露目となる。
甘いマスクから「和楽器の貴公子」とも呼ばれる。藤原にとってソロデビュー20周年の今年、異なるユニットでの活動をはじめ、海外を含めた多くの公演が中止された。「3カ月半もの間、人前で演奏しなかったことは20代の頃から初めての経験。戸惑いはありましたが、楽曲制作と向き合えた。海外に行けない分、国内を見つめ直す機会にもなりました」と悲壮感はない。
「古武道」は純邦楽・藤原道山(尺八)、クラシック・古川展生(チェロ)、ポップス・妹尾武(ピアノ)という異なるジャンルの音楽ユニット。17年に結成10周年を迎え、「第2章」として歩みはじめた。「楽器を通して会話するように互いの気持ちが演奏で分かる」と藤原が語るように、音楽的にも成熟期を迎えている。
9月に延期となっていた横浜でのリリースライブを実施。「久しぶりのセッションで、戻って来た喜びをかみしめました。初めてステージで演奏したときの気持ちを思い出すような感覚でした。ライブでは久しぶりにお客さんと音楽のキャッチボールができました」。
オリジナル15曲入りの新アルバムには自身で作曲した「風薫る」も収録。「ツアーで八ケ岳高原ロッジのホールで演奏したときに、澄んだ空気の中で山々の美しい景色に、思わず息をのむほどの感動を覚えた。そういった素晴らしい思い出を楽曲に込めました」。尺八の深い響きは聴き手の心を癒やす。もちろんライブでも披露する予定だ。
「尺八」と聞くと、格式が高い邦楽の楽器のイメージが強いかもしれない。しかし第一人者である藤原は東京芸大生の頃から、積極的に他ジャンルの音楽と交わり、和楽器を身近な存在へと導いてきた。
「今は海外の人が熱心です。ヨーロッパでも尺八のコンテストが行われる。彼らは先入観なく、異なる文化への好奇心が強いんです。今はインターネットで世界とつながっているので、新しい出会いがある。それが音楽の可能性を広げている気がします」。
例えば、今年は台湾の音楽の祭典「金曲賞」で、最優秀編曲賞を受賞した。台湾人アーティストのペギー・スーがYouTubeで「KOBUDO」を知り、編曲の依頼があったという。「最初は驚きました。ネットを通じた出会いですね」。
本当は台湾の授賞式に出席したかったと悔やむ。コロナ禍でかなわなかったが、「また来年こそは現地で演奏したいですね」と目を輝かせる。
リリースライブは、来年1月4日にビルボードライブ大阪で行われる。「ビルボードのステージは、コンサート会場よりラフで気軽。音楽をより身近に楽しんでいただきたい。コロナ禍でずっと家にいるしかなかった方も多いと思うので、ぜひ生の音楽に触れて欲しい。自分にとっても、年明け最初の公演で楽しみにしています」と話した。公演はコロナ対策を徹底して開催する。また、3月20日には自身のソロライブが大阪・住友生命いずみホールで開催。詳細は公式サイト(https://www.kobudo-otoemaki.net/)を参照。