トランプ大統領不在も別荘大みそかパーティーが波紋

トランプ大統領(2019年5月26日撮影)

米フロリダ州パームビーチにあるトランプ米大統領の別荘マー・ア・ラーゴで先月31日夜に開催された恒例の大みそかパーティーが、物議を醸している。

米国では今月1日に新型コロナウイルス感染者数が累計2000万人を超えているが、招待された約500人のゲストがマスクを着用せずにソーシャルディスタンスを無視してダンスをしたり、歌ったりとパーティーを楽しむ様子がSNSに投稿されていた。

米メディアによると、パーティーの参加費は1人1000ドルで、ザ・ビーチ・ボーイズや90年代に一世を風靡したラップ歌手ヴァニラ・アイスによるパフォーマンスや豪華ディナーが振る舞われたというが、トランプ大統領夫妻は直前になって予定を変えてワシントンDCに戻ることを決め、主役不在でのパーティーになったという。

トランプ政権は昨年9月にホワイトハウスで開催したエイミー・コニー・パレット最高裁判判事指名式典でクラスターが発生するなど、新型コロナ感染が拡大する中でスーパースプレッダーイベントを開催して批判を浴びてきた。

トランプ大統領夫妻は昨年10月にコロナに感染しているほか、このパーティーに参加していた長男のトランプ・ジュニア氏と恋人、顧問弁護士のルディ・ジュリアーニ氏も感染していることから「ヴァニラ・アイスのパフォーマンスを大みそかに見るためにコロナで死ぬ危険を冒す人いるの?」「このパーティーをしている大みそかにアメリカでは3540人がコロナで死んでいる」「あと19日でトランプがいなくなるから、皆もう少しの辛抱よ」など、SNSには批判の声が殺到している。

フロリダ州のオマリ・ハーディ下院議員は、この年越しパーティーについて「新型コロナ感染予防規則に違反している」としてリゾート施設マー・ア・ラーゴの閉鎖を求めるとツイートしている。マー・ア・ラーゴは会員制リゾート施設である以上、パームビーチ郡の商業施設内でのマスク着用義務に従う必要があると訴え、「法律は守られるべき」とコメントしている。トランプ大統領夫妻がマー・ア・ラーゴを突然去ってワシントンDCに戻った理由は明かされていない。(ロサンゼルス=千歳香奈子)