映画秘宝どう喝DM「慎重さ欠いた」発行元も謝罪

月刊映画誌「映画秘宝」を編集、制作する合同会社オフィス秘宝の岩田和明編集長が、17日に同誌の公式ツイッターから、どう喝的なダイレクトメッセージ(DM)をツイッターユーザーの女性に送った問題で、発行元の双葉社が26日夜、公式サイトで謝罪のコメントを発表した。

今回の件は岩田編集長が、5日に出演したTBSラジオ「アフター6ジャンクション」に女性ゲストがいないなどと苦言のツイートをした女性リスナーに対し、17日に「死にたい」などとDMを送ったこと、同編集長がDMを送った女性に直接、編集部に断りなく電話したことに対し、女性の個人情報である電話番号を同編集長がどのように入手したかについても、疑問の声が出ていた。

双葉社は「当該事案についての個人情報を含めた情報共有の過程においても、その取扱いについて弊社としても慎重さを欠いた対応となってしまいました」とコメント。

「雑誌『映画秘宝』は発行元である弊社と編集作業を行う合同会社オフィス秘宝との協力のもと発行させていただいております」と編集、制作体制を説明した上で「制作・運営においては、双方で情報を共有し、適切な対応を心がけてきたにも拘らず、弊社は発行元として、今回の事案が発生したことを大変重く受け止め、当該個人の方に多大なるご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます」と謝罪した。

その上で「今後は、『映画秘宝』公式ツイッターアカウントでの私信を禁じるのは当然として、私信にあたらないDMについても、送信前に複数人がチェックする等SNSの運用・管理を厳格に行い」とSNSの運用にも目を光らせると約束。「個人情報の取り扱い方、情報共有のあり方についても最大の注意を払い、再発防止に向け全力で取り組んでいく所存です」とした。

そして「本件についての責任は弊社及び合同会社オフィス秘宝にあり、当該個人の方に対してのネット上等の誹謗中傷の行為については厳に慎んでいただきますよう心よりお願い申し上げます」と、岩田編集長からDMを送られた女性への誹謗(ひぼう)中傷はしないよう訴えた。

「映画秘宝」は、1995年(平7)に洋泉社から刊行し創刊。20年2月に同社が宝島社に吸収合併され、解散したことを受けて同1月21日の同3月号を持って一時、休刊した。その後、休刊時の編集長だった岩田氏らが合同会社オフィス秘宝を結成し、「映画秘宝」の商標権を取得した上で、双葉社から同4月21日に6月号を発行し、復刊した経緯がある。合同会社オフィス秘宝は26日、ツイッターで発信した謝罪文の中で「本誌編集部としては、後日の協議にて、岩田に対して断固たる処分を下します。追って処分内容を、ご報告させていただきます」と岩田編集長を処分すると明言している。

岩田編集長の去就に加えて、「映画秘宝」が廃刊されるのではないか、といった声もあがっている。今後について、双葉社の担当者は日刊スポーツの取材に「発表した文書に書かれていること以外は、お答えできません」とコメントした。