役所広司(65)が11日、東京・新宿ピカデリーで行われた主演映画「すばらしき世界」(西川美和監督)初日舞台あいさつに登壇した。
この日はタイトルにちなみ「すばらしき世界は?」と質問が出た。役所は「戦争とか紛争がなくなって、地球上から二酸化炭素(CO2)がなくなって、人の偏見がなくなって、世界中の子どもが夢を持てる世界」と答えた。その上で「オリンピック(五輪)ですね。スポーツを通して、世界中の人が熱狂しているのを見ると、世界は素晴らしいと思う」と持論を語った。
共演の仲野太賀(28)は「地位や名誉…個人的にはここじゃない、どこかとか想像するんですけど、身近に、すばらしき世界があるのかな。人と人の思いやり、人間の善意に、すばらしき世界があるのかな」と語った。その上で「マスコミさんが来るから、もっとホットなこと、思い付いた」と口にして、20年大みそかの総合格闘技イベントRIZINで、堀口恭司が朝倉海からバンタム級王座を奪回した試合を挙げた。
仲野 堀口さんがカーフキックで勝った。うれしくて…12月31日に今年1番くらい、涙を流して感動した。堀口さんも501日ぶりにやり直し、この映画もやり直し(がテーマ)の映画。エンターテイメントから感動をもらえることが音楽、スポーツ、エンタメに勇気や元気をもらったことがあった。この映画が心に寄り添うものであったら良いなと思っています
六角精児(58)は「コロナ前の世界かな。普通に旅行にも、映画にも行けた日常…それが出来なくなっている。それがすばらしき世界だったと思う。状況が変わった時、戻ってくれたら素晴らしいかな」とコロナ禍からの1日も早い回復を願った。北村有起哉(46)も「六角さんと全く同じ。忘新年会、花見…全部据え置き。会ってなかった人、コロナだから我慢しようが合言葉。午後8時以降に居酒屋に行こう、マスクを取ってカラオケしよう、演劇でブラボーとか全く言えない…あれこそが素晴らしい瞬間だったと思います。解放する日が1日も早くくればいい」と語った。その上で「たっぷり大きな声で話して、肩をたたき合って、飲めたら…我慢していますけど、いつか来ると思います」と続けた。
「すばらしき世界」は、直木賞作家・佐木隆三氏の90年のノンフィクション小説「身分帳」を原案に、西川監督が長編映画としては初の原作ものに挑んだ映画。同監督は佐木氏の著書を愛読しており、15年に同氏が亡くなった訃報をきっかけに同書を知り、ほれ込んだ。そして小説に書かれたことの背景を3年かけて取材、リサーチし、小説の時代設定を現代に置き換え、4年かけて脚本を完成させ、構想から5年超で映画化にこぎ着けた。役所は劇中で、刑期を終え、出所した元殺人犯の三上正夫を演じた。
この日は14日にバレンタインデーが迫っており、役所と西川美和監督(46)は花束のプレゼントを贈り合った。