<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム>
草なぎ剛(46)が映画「ミッドナイトスワン」の演技で20年度のブルーリボン賞主演男優賞に輝いた。
映画やドラマで幅広い演技を披露してきた草なぎだが、これまで演技賞には縁がなかった。「やりましたね! 高倉健さんや大杉漣さんに報告したかった」と手放しで喜び、かつての恩人たちの名を挙げた。
共演した大物や演技派と呼ばれる人たちから、草なぎはすこぶる評判がいい。取り立ててとがった演技をするわけではないが、あのつかこうへいさんが「大天才。吸い取り紙のように伸びていく」とべた褒めし、演出家の評価も高い。
受賞インタビューで、そんな「俳優・草なぎ剛」の一端を垣間見た気がした。
放送中の「青天を衝け」の徳川慶喜役はNHK大河ドラマ初出演だ。
「大河ってすごいですよ。馬の数も衣装の重さも半端ないです。全部本物。緊張しますよ、それは。だから演技も本物になるんだって実感しています。でも、実はそこで緊張する僕ってめちゃくちゃかわいいと思ってやってるんですよ」
「本物」の背景が「本物」の演技を生み出す大河の現場に、文字通り吸い取り紙のように溶け込んでいくようすが目に浮かぶ。
「うまくなりたい、とはずっと思っているんですけど、やっぱり芝居って相手あってのキャッチボールじゃないですか。独りで頑張りすぎても仕方が無い。あの人とまたやりたいと思われる役者になりたいと。それが大事だと思っているんです。それで仕事がつながっていく」
つながりという意味では、日本テレビ系の大みそかスペシャル「絶対に笑ってはいけない」には、2年連続で「全裸監督」役で出演している。カメラ片手のブリーフ姿は意外なほど似合う。そして「ミッドナイトスワン」の内田英治監督は配信ドラマ「全裸監督」の演出家でもある。
「そうそう、たまたまつながっているんです。僕は引きが強いんです」と笑ったが、この人には「たまたま」ではなく、共演者や演出家をひきつける生まれ持った魅力があるようだ。【相原斎】