<第44回日本アカデミー賞授賞式>◇19日◇東京・グランドプリンスホテル新高輪・国際館パミール
最優秀作品賞は「ミッドナイトスワン」(内田英治監督)が獲得し、最優秀主演男優賞を受賞した草なぎ剛(46)、新人俳優賞の服部樹咲(14)と合わせて3冠を獲得した。
草なぎは「マジか!? って感じですよね。いいんすかっ!? どうしようかな、これ。奇跡起こるんだなって」と驚いた。その上で「そうですね、諦めたりしないで、一歩ずつというか、また、たまに振り返ることも人間誰しもあると思うんですけど、またそこから少しでも進むと、何かいいことあるんだなと思って、本当に素晴らしい賞をいただけて、本当に皆さんに感謝していますし、大変な世の中ではあるんですけど、皆さんとともに一歩ずつ、進んでいきたいなと思っています。本当にこの映画を愛していただいて、ありがとうございました」と感謝した。
「ミッドナイトスワン」は、内田英治監督(59)が脚本から作り上げたオリジナル作品。広島から上京し、新宿のニューハーフショークラブでステージに立っているトランスジェンダーの凪沙(草なぎ)が、母親の育児放棄にあった故郷の親戚の子一果(服部)を養育費目当てで預かる。一緒に生活する中で、社会の片隅で生きてきた凪沙と孤独の中で成長してきた一果の間に情が湧き、母性が芽生えた凪沙と一果の日々を描いた。
内田監督は「映画が好きで、5歳ぐらいからずっと映画監督になりたくて」と壇上で感激に浸った。父の仕事の都合でブラジル・リオデジャネイロで生まれた。日本に戻ってきて、心の救いになったのが、映画だった。「週刊プレイボーイ」(集英社)編集部で1記者を11年する傍ら、書いた脚本が採用され、99年のTBS系「教習所物語」で脚本家デビュー。14年の映画「グレイトフルデッド」で海外の映画祭で評価を受け、16年「下衆の愛」、17年「獣道」と、インディーズ映画の世界で、小規模の製作費ながら良作を次々、作りだし、ようやくひのき舞台に立った。
内田監督は「ずっと小っちゃい映画をやったりしながら、脚本を書き、草なぎ(剛)さん(服部)樹咲さんがこの脚本を読んで、徐々に徐々にそして公開して、当初は本当に何の後ろ盾もない映画だったんですけど、見ていただいた。見ていただいたひとりが、ひとりまた2人、3人と増えた」と感慨深げに語った。その上で「本当に何か映画って、先程、長澤(まさみ)さんがおっしゃっていましたけど、1人では作れないんだなって、スタッフと役者そしてやっぱり観客、観客があってこそのやっぱり映画なんだと思いました。今回は本当にありがとうございました」と感謝した。
服部も「さっき発表されて本当にびっくりしたんですけど、このはじめての私のお芝居で、初めての作品だったんですけど、この作品に参加できて、本当によかったなって思いますし、映画館に足を運んでくださった方々やSNSなどで盛り上げてくださった方などに感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました」と喜んだ。