文楽人形遣い吉田簑助、今月公演で引退発表「すべてを出し尽くした」

引退を発表した人形浄瑠璃文楽人形遣いの吉田簑助

人形浄瑠璃文楽人形遣いの人間国宝、吉田簑助(87)が25日の大阪・国立文楽劇場「4月文楽公演」千秋楽をもって引退することが15日、発表された。

簑助は1940年(昭15)に吉田文五郎に入門、42年に桐竹紋二郎を名乗り、翌年初舞台を踏んだ。61年に3代目吉田簑助を襲名した。98年に脳出血で倒れ、復帰したことでも知られる。

簑助はこの日、「今年でまる81年。その間脳出血で倒れ、復帰してから22年。体調が思うにまかせないこともありましたが、曾根崎のお初も八重垣姫も静御前も再び遣うことが出来、人形遣いとして持てる力のすべてを出し尽くしました」とのコメントを発表、観客、関係者、門弟らに感謝を示した。

文化功労者、フランスの芸術文化勲章コマンドールなどを受章している。