映連、映画館休業は「興行、配給、製作全てが大きな経済的損害」政府に訴え

日本映画製作者連盟(映連)は24日夜「『映画館』再開の要望について」と題した声明文を発表し、政府に対し、緊急事態宣言下で休業を要請されている東京都、大阪府などの映画館について、感染症対策に万全を期すことを前提に、6月1日からの営業再開を認めて欲しいと要求した。また各地方自治体には、感染状況に応じて「映画館」の利用にやむを得ず制限をかける場合には、政府の基本的対処方針に沿った扱いをし、「映画館」を不平等に取り扱うことのないよう要求した。12日以降、劇場や演芸場は人数上限5000人かつ収容率50%、午後9時までの条件で休業要請が解かれたのに対し、映画館は休業要請を続けている、東京都を念頭に置いた要求とみられる。

映連は声明の中で、全国シェアの35%を占める東京と大阪の映画館の休業は、収入源に加え、作品の公開を延期すれば投下した宣伝費も無駄になると訴えた。

「映画産業は『興行』『配給』『製作』が三位一体で構成されております。『映画館』は、製作者にとって作品発表の場であるだけでなく、投資資金の回収のための最も重要な場であります。『映画館』が長期間休業することは、それを運営する事業者だけでなく、作品を配給する事業者や映画を製作する事業者及びクリエーター等にとっても死活問題と言えます。東京都と大阪府だけでも、全国の映画館市場のシェアの35%程度を占有する最大のマーケットであり、そこでの上映ができないことは相応の収入減を意味します。さらに、こういった状況下での上映を回避するため、配給会社が公開時期の延期を決定するケースも相次いでおりますが、その場合は既に投下した宣伝経費等が水泡に帰すことに繋がります」

さらに「また、このような状況が長く続けば作品の製作そのものを延期または中止するケースも想定され、そうなると製作会社のみならず、フリーランスのスタッフをはじめ多くの製作関係者の生活に多大な影響を及ぼすことになります」とも主張した。監督をはじめ製作スタッフは、腕や技術を見込まれて作品ごとに「組」と呼ばれる製作チームを組むことが通例で、フリーや個人事務所、会社をつくって活動するケースが通例だ。そうしたスタッフの死活問題だと訴えた。

政府は31日に迫った緊急事態宣言の延長を検討している。映連は「三度目の緊急事態宣言下におきまして、「映画館」は4月下旬より国及び対象都府県による特措法に基づく休業要請を受け、5月12日以降の期間延長後は、国の方針では特措法施行令第11条1項4号の対象施設として一定の制約条件の下に営業再開が認められたところ、東京都、大阪府等の一部自治体において、より強い措置の継続が必要との理由から、『映画館』は引き続き休業要請の対象とされました。こうした中、映画館運営各社をはじめとした映画業界は、感染拡大の危機を何としても食い止めるという社会的な要請に応えるため、苦渋の思いでこれに従ってまいりました」と経緯を説明。その上で「『映画館』の休業は、『興行』だけでなく『配給』『製作』その全てに携わる者が大きな経済的損害を被ることになるのです」と訴えた。