大友啓史監督、NHK時代に担当した「大河」には「ストックがある」

ロケツーリズム協議会で講演を行う大友啓史監督(撮影・村上幸将)

大友啓史監督(55)が28日、都内で行われたロケツーリズム協議会で講演を行った。協議会の主題は「withコロナの時代の、これからの経済復興! 観光の回復!」で、同監督は4月23日公開の「るろうに剣心 最終章 The Final」と、6月4日公開の「-The Beginning」が、20年7月3日、8月7日公開予定だった両作品の公開を1年延期したにもかかわらず、3度目の緊急事態宣言発出で東京と大阪の映画館が休業を余儀なくされ、影響を受けていることについて、冒頭で言及した。

「実は公開日は、去年夏だったんですよね。オリンピック(東京五輪)で本物のアスリートが繰り広げる感動に、負けない感動をフィクションで届けようと思ってやっていたら延期になった。今度は、またコロナで、こういうことになって。いろいろ心配しているんですけど、本当に東京、大阪(の映画館)がダメになっているんだけど、地方の皆さんが本当に信じられないくらい、リピーターがメチャクチャ多い」

現状「The Final」は興行収入(興収)30億円を記録しているという。

大友監督は2010年(平22)の大河ドラマ「龍馬伝」のチーフ演出を担当したのをはじめ、NHK在籍時に「ハゲタカ」「白洲次郎」など数多くの人気ドラマを制作。09年に「ハゲタカ」の映画版で監督デビューすると「龍馬伝」放送翌年の11年にNHKを退局し、映画監督として活動を始めて今年で10年になる。

NHKの「朝ドラ」や「大河」のロケ地決定の内幕を尋ねられると、大友監督は「『大河』とか『朝ドラ』は舞台(撮影が行われる土地)そのものがドラマの舞台になる。大体、土地が決まって(物語は)そこで繰り広げられる。『朝ドラ』にしても『大河』にしても、地方振興という思いがある」と“基本原則”を語った。

その上で「『大河』は(撮影から)10年たったから言ってもいいと思うんだけど…ネタのストックがある。僕の場合は、提出されたネタじゃなくて『龍馬』をやりたいって言ったんだけど」と、NHK局内にネタのストックがあると明かした。ストックに入れる秘訣(ひけつ)については「(ロケ地から)声を届けるしかない。そうは言っても1年間、持つドラマって、なかなかなないんだよね。『大河ドラマ』として1年間に40~50本のドラマを作るって、世界にないですから。1年間、1人の主人公を追いかけるドラマを作るって結構、きつい。強烈で面白い(『大河』に)ふさわしい人生を探しに行くんですよね。地方の方は、そういう人物を探すことかな?」と語った。

その上で「ふさわしい物語は、プロが作るんだけど『大河』の監督、担当者、頑張って探しているんだけど、そこに誘致する側が、どう近づくか? 自分で見たいもの…その土地、その、ふるさとのことを考えなければいけないんだけど、日本全国に伝わるか、バリューがあるか。誘致、提案する側もドラマ、映画に詳しくなって欲しい」と、地元を売り込む側も、ドラマや映画を見る目を磨く必要性を強調。「(作り手側を)同じ目線って、簡単に言うけど難しいんですよ。埋めるのは、なかなか難しい。好きこそ物の上手なれ。『るろうに剣心』見て下さいよ!!」と映画をアピールすることも忘れなかった。