五輪の独占放映権を持つ米NBCテレビの元ベテランスポーツキャスターで、1988年から16年まで過去12大会五輪中継のメイン司会を務めたボブ・コスタス氏(69)が28日、ケーブルテレビ局HBOのトーク番組に出演し、「東京五輪は延期すべきだ」と語った。
同氏はかつては夏冬同年開催していたことに言及し、中止という選択肢ではなく、東京五輪を2022年夏まで延期すれば1回限りで90年代以前に夏季と冬季が同年開催されていた頃に戻すことができるだろうと語った。
一方、新型コロナウイルスの感染拡大が収まらず、日本のワクチン接種率が4%であるにもかかわらず五輪の開催準備が進められていることについて、「国際オリンピック委員会(IOC)がすべてのカードを持っていることを理解する必要がある。すべての契約はIOCに有利になっている」とコメント。五輪が開催された場合に起こりうる損失や超過費用はすべてホスト国の組織委員会に課せられることになっており、NBCでテレビ放映されれば最後のペニーまで放映権を徴収するため、「世間と同じような(中止という)見方をすることは期待できない」と語った。
さらに司会者からIOCについて「何か怪しいものとつながっているのか」と問われると、「それは間違いない」と語り、IOCは権威主義体制に親近感を持っていると暴露。08年の北京、14年のソチ(ロシア)に続いて再び22年冬季で北京に戻ることに触れ、権威主義国との密接な関係があると指摘した。
40年間にわたってスポーツキャスターを務めたNBCを19年に去った同氏は、NBCが14年に77億5000万ドルで2032年まで五輪放映権を延長したことを明かし、IOCの権威主義への協力が求められるNBCの立場は「非常に困難な綱渡りだ」ともコメント。巨額の放映料を払って放送権を獲得しているテレビ局は、視聴者を楽しませることを望んでいる一方で「像のような巨大なもの(IOC)」を意識する必要があると語り、IOCを刺激しないよう常に神経を使っているとNBCとIOCの関係性についても内情を明かしている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)