吉永小百合「銀幕から飛まつ飛ばない」 東京で映画館開き笑顔のあいさつ

観客を動員した「いのちの停車場」全国公開記念舞台あいさつで笑顔を見せる吉永小百合(撮影・河田真司)

吉永小百合(76)が、東京都が緊急事態宣言の再延長を受け、休業要請を緩和して都内の映画館の営業が再開した1日、丸の内TOEIで主演映画「いのちの停車場」(成島出監督)全国公開記念舞台あいさつの壇上に立った。吉永は「今日は『いのちの停車場』の、東京の初日に来て下さいまして、本当にありがとうございます」と満面の笑みを浮かべてあいさつした。

5月22日に同所で行われた公開記念舞台あいさつは、緊急事態宣言の延長により東京都が独自に決め、12日以降、続けた映画館への休業要請を受けて、舞台あいさつは観客を入れず、259の映画館で生配信された。政府が同28日に緊急事態宣言を再延長したことを受けて、都が1日から映画館の休業要請を緩和したことを受け、同21日の公開後、初めて観客を入れての舞台あいさつが実現した。

東京、大阪の映画館の営業が再開し、この日から全国375館で上映された。吉永は冒頭のひと言の後、次のように続けた。

「5月12日から20日間、何とかして映画館を開けていただけないだろうか、映画館で映画を見ていただくことは出来ないだろうかと思い、悩みました。スクリーンからは、飛まつは飛びません。そして、お客さま同士が今(映画の上映中に)話をするということも、なくなってきています。そういう中で、映画の製作者の方たち、私たち(映画を)現場で作る側、そして興行主の方たちが声をそろえて、何とか映画館を開業して欲しいと声を上げました。マスコミの方たちも、とても応援してくださり、映画ファンの皆様も『待ってるよ』というふうに言ってくださいました。今日、このような形で映画を見ていただけますこと、東京、大阪(の映画館)がオープンしたということ…本当に、本当に、うれしく思っております。ありがとうございます」

吉永は5月22日の舞台あいさつの冒頭で、都が同7日付で人数上限5000人かつ収容率50%、午後9時までの条件で劇場や演芸場の休業要請を緩和したのに対し、映画館には休業要請が続く、同12日以降の独自休業要請に疑問を呈した。「演劇は大丈夫だけど、映画はダメとうかがって大変ショックを受けましたし悲しかった。くじけそうになった」と訴え、そのことは広く報じられた。その上で、最後に「全国の皆さまの前でごあいさつできるのは、ここにお客さまがいらっしゃらないからと思って気持ちを取り直しております」と、あくまで観客を入れての舞台あいさつの実現を願った。

吉永の発言に先立つ5月11日に、全国興行生活衛生同業組合連合会(全興連)と東京都興行生活衛生同業組合(都興組)が都の施策に疑問を呈する声明文を発表していたが、24日には東宝、東映、松竹、KADOKAWAの映画製作配給大手4社の団体、日本映画製作者連盟(映連)が声明文を発表。政府に対し、緊急事態宣言下で休業を要請されている東京都、大阪府などの映画館について、感染症対策に万全を期すことを前提に6月1日からの営業再開を認めて欲しいと要求すた。

さらにコロナ禍で苦境に陥ったミニシアター救済を目的に、20年4月の1度目の緊急事態宣言発出の際に立ち上げられたプロジェクト「#SAVE the CINEMA」が、全興連と連動し都議会各会派を回るなど“共闘”を始め、ツイッター上では「#NOMORE映画館休業」「#映画館への休業要請に抗議します」がトレンドワードになるなど、社会的なムーブメントを起こしていた。5月31日に全興連が発表した東京都、大阪府に対し、休業要請の緩和を感謝した声明には全興連、都興組、映連、#SAVE the CINEMAが連名で発表された。