太平洋戦争後も任務解除の命令がないままフィリピン・ルバング島で過ごし、約30年後の1974年(昭49)に51歳で日本に帰還し、14年に91歳で亡くなった旧陸軍少尉の小野田寛郎さんの史実を元にした映画「ONODA」が、日本で今秋、全国公開されることが1日、決定した。
映画はフランス、ドイツ、ベルギー、イタリア、日本の合作で製作される。監督は、16年の長編映画デビュー作「汚れたダイヤモンド」(2016)でフランス批評家協会賞・新人監督賞のほか数々の賞を総なめにした、フランスの新鋭実力派アルチュール・アラリ監督(39)が務める。同監督は全編日本語での演出にこだわり、徹底したリサーチと演出力で、史実を元に小野田という1人の男が生き抜いた孤独と壮絶な日々を描いた、人間ドラマを作り上げた。
俳優遠藤雄弥(34)と津田寛治(55)が、ダブル主演を務め、2人をはじめ、俳優陣は日本人で固められた。津田は「山中静夫氏の尊厳死」(村橋明郎監督)で、中村梅雀(65)と第30回日本映画批評家大賞主演男優賞をダブル受賞した。5月31日に都内で行われた授賞式の壇上で、津田は「僕ね、助演男優賞は何度か頂いたことがあるんですが、主演男優賞は、もちろんいただいたことがなくて。いつか死ぬまでにもらえたらいいなと、心の中で夢のように思っていました。今夜、かないました」と感激のスピーチをした。その津田が「満身創痍(そうい)の撮影に挑んで完成した」と関係者が語る「ONODA」で、どんな演技を見せるか、注目だ。