船越英一郎がフジ連ドラ出演 比嘉愛未と「競演楽しみにしています」

船越英一郎

俳優船越英一郎(60)がフジテレビの連続ドラマ「推しの王子様」(7月スタート、木曜午後10時)にレギュラー出演する。船越がラブストーリーを描く連続ドラマに出演するのは、06年4月期のフジテレビ「ブスの瞳に恋してる」以来、15年ぶりとなる。

ドラマは比嘉愛未(35)が演じる乙女ゲーム(女性向け恋愛ゲームの総称)を手がけるベンチャー企業「ペガサス・インク」の代表取締役社長・日高泉美が、五十嵐航(渡辺圭祐)を理想の男性に育てるため奮闘する“逆マイ・フェア・レディ”な日々を描くオリジナルストーリー。

船越が演じるのは、大手アウトドア・メーカー「ランタン・ホールディングス」の代表取締役社長を務める水嶋十蔵。十蔵は経営の多角化を進める中で、エンターテインメント分野への参入を決定。それに伴い、泉美は次回作となる乙女ゲームへの出資を「ランタン・ホールディングス」に掛け合っていた。

大胆不敵な人柄で、常に抜け目なく、目的のためなら手段を選ばない一方で、情に厚い顔も持つ十蔵。「ペガサス・インク」の次回作へ出資するかどうか、すべては十蔵の考え次第だが、泉美は物語が進むにつれて、十蔵により思いもしなかった“崖っぷち”に立たされることになる。

これまで数多くの2時間ドラマ主演を務め、“サスペンスドラマの帝王”とも称される船越。その船越がラブストーリーを描く連続ドラマに出演するのは「ブスの瞳に恋してる」で脚本家役を演じて以来。

主演の比嘉とは、17年のWOWOW「本日は、お日柄もよく」に共に出演していたが、直接言葉を交わすシーンはなかった。今回、初共演となる。

船越は「熟年の恋愛模様を演じられるかと期待しましたが(笑い)。残念ながら恋愛は若い俳優さんたちに委ねることになりそうです。複雑でスリリングな恋愛模様が展開されていきますが、皆さんと一緒にわくわくしながら行く末を見届けて行きたいと思います」と話している。

役作りについて「大手のアウトドア・メーカーの社長でありながら、ゲーム業界にも参画していくアグレッシブで謎の多い人物です。主人公たちの大いなる支援者となるのか、はたまた大きな障壁となっていくのか。重層的でミステリアスな男として演じていきたいと思います」。

初共演となる比嘉については「芳醇(ほうじゅん)な感性に裏打ちされた確かな演技力に、かねて魅力を感じておりました。比嘉さんならではのニュータイプのヒロイン像との競演を楽しみにしています」と話している。

ドラマは、乙女ゲーム(女性向け恋愛ゲームの総称)を手がけるベンチャー企業「ペガサス・インク」の代表取締役社長である泉美は36歳。4年前に起業し、最初にリリースした乙女ゲーム「ラブ・マイ・ペガサス」が異例の大ヒットを記録。「ラブ・マイ・ペガサス」は、外見から内面まですべてを泉美の理想通りに作り上げたケント様と恋に落ちるゲームで、泉美は一躍、新進気鋭の経営者としてもてはやされることに。

社長になる前の泉美は、地元の保険会社で働き、当時は夢もやりたいこともなく退屈な毎日を送っていた。ある時、友人から乙女ゲームの存在を知り、何げなくプレーを始めたところ一瞬で心を奪われ、泉美は人生で初めて“生きがい”と呼べるものを見つける。乙女ゲームに夢中になるあまり、仕事もゲーム会社へ転職。そこでディレクターとして働いていた光井倫久(ディーン・フジオカ)と、最高の乙女ゲームを一から作り上げるために起業することを決意して今に至る。

一見、順風満帆な泉美だが、プライベートでは、ここ何年も恋愛をしておらず、もっぱら「ラブ・マイ・ペガサス」のケント様に夢中だ。また、次回作の制作に苦心しており、SNSには「一発屋」という心ない声も。もちろんめげることなく、部下たちには明るく笑顔でハッパをかけ、その裏では開発資金の調達に奔走していた。ある晩、日頃の疲れから、つい酒を飲み過ぎてしまった泉美が帰り道を歩いていると、突然1人の男が文字通り空から降ってくる。仰天する泉美だったが、男の顔を見てさらに驚く。男の容姿は、なんと自分の理想通りに作った「ラブ・マイ・ペガサス」のケント様にそっくりだったのだ。男は借金取りから逃げるため、歩道橋から飛び降りたようで、追いかけてくる借金取りから隠れようとしたはずみで、泉美を抱きしめる。あまりにも信じられない出来事の連続に泉美は、酔いも手伝って、そのまま気を失ってしまう。

男の名は五十嵐航と言い、ただ今23歳。泉美にとって、まさに王子様が舞い降りてきたかのように思えたが、しかし、理想通りなのは容姿だけ。航は不作法で無教養で無気力で、なんとこれまで一度も人を好きになったことも無い、無い無い尽くしの残念すぎる王子様だった。大失望する泉美だったが、ひょんなことから「私があなたを理想の男性に育てる!」と、航の人生を変えることを決意。泉美は航を「ペガサス・インク」で雇い、仕事はもちろん言葉遣いからマナーに知識、さらには生きがいや恋の仕方まで、ありとあらゆることを教えていく。そして、時に泉美が航に守られ、逆に泉美も航から本当に大切なことを教えられることになる。

狩野雄太プロデューサーは「十蔵は一代で自身の会社を大きく成長させた剛腕の経営者で、頭脳明晰(めいせき)で慧眼(けいがん)の持ち主です。会社のエンタメ事業を拡充していく時に、乙女ゲームの提案を持ってきた泉美と出会います。この出会いが泉美にもペガサス・インクの面々にも、とても大きな影響を及ぼすことになります。一代で成功を収めたため、1つ1つに含みと奥行きがあり、また実は意外性もある人物なので、最終話まで十蔵の一挙手一投足は見逃せません。船越さんの重厚さと大人な雰囲気、そして確かな表現力で十蔵に命を吹き込んでいただけて、大変光栄に思っております」と話している。