日本で初めて、さらに世界でも類を見ないプロダンスリーグ「D.LEAGUE」の初年度が終了した。全12ラウンドと1日に東京ガーデンシアターで開催されたチャンピオンシップを現場取材した。
日本は、12年に文科省が中学校の学習指導要領で「ダンス」が必修化され、さらにTikTokなどSNSで誰もが気軽に踊る時代となり、国内でのダンス経験者は2000万人とも言われるダンス王国だ。その中でも各ジャンルで世界的にも活躍してきた数多くのダンサーにスポットライトが当たり、プロとしてさらなる成長があったことに、まず1つの意義があった。プロリーグとして、今後はスターの発掘も望まれる。
初めてだからゆえの、課題もある。開幕前から懸念されていた1つは「審査」の難しさ。ジャンルが幅広いゆえ、例えば「トリプルアクセルを飛べば●点」といった明確な基準がなく、パッと見の“分かりやすさ”に、どうしても欠ける部分があった。その分、公式アプリの有料会員による「オーディエンス票」でバランスをとっていたが、途中から無料会員も投票可能にするなど、試行錯誤を繰り返した。
また総合順位を決める勝ち点は、1位の10点から9位の2点まで1試合で8点の差がつく。数字上は「逆転」の可能性が多いように見えるが、実際にROUNDが続くと、その差を埋めるのは簡単ではなくなる。1位との審査点の差で勝ち点を決めれば、順位の変動がシーズンを通じて楽しめるだろう。
チャンピオンシップ後に取材に応じた神田勘太朗COOは、まず見た目の分かりやすさについては「他のスポーツだと、競技中に解説が入ると思います。ただダンスは音に対してのシンクロなので、パフォーマンス中はどうしても解説(言葉)が邪魔になってしまうんです。来季以降は、それを副音声などでカバーするのかなど検討していきたいです」。さらにオーディエンス票についても「有料会員への対価としての側面もありますし、結果としてダンサーを支えることにもつながります。その意味合いを、しっかりと伝えていきたい」と話した。
何もなかったところから始まった初年度だったが、試行錯誤しながらも臨機応変にブラッシュアップしていく姿勢は見えた。ダンスのスポーツ的要素に加え、ショーケースとしてエンターテインメント性もあり、他のプロリーグにはない二面性は、まだまだ発展していく余地は多分にあり、可能性も秘めている。参戦チームが2チーム増え、11チームとなる来季にも期待したい。【大友陽平】