柳楽優弥、弟役演じた三浦春馬さんの演技は「雰囲気が素晴らしかった」

映画「映画 太陽の子」公開初日舞台あいさつをする、左から黒崎博監督、柳楽優弥、有村架純(撮影・中島郁夫)

柳楽優弥(31)が8日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた主演の日米合作「映画 太陽の子」(黒崎博監督)初日舞台あいさつで、弟を演じた三浦春馬さん(享年30)の演技を「素晴らしい」とたたえた。

撮影は2年前に行われた。柳楽は、1944年(昭19)9月の京都帝国大理学部で、荒勝教授(國村隼)の指導のもと海軍から依頼された、原子核爆弾の開発を急ぐ石村修、三浦さんは修の弟で陸軍の下士官として戦地にいたが、肺を治すようにと軍医から休暇を与えられて帰宅する弟の裕之を、有村架純(28)が修と浩之が思いを寄せる幼なじみ朝倉世津を演じた。

柳楽は撮影の思い出を聞かれ「たくさん、思い出があるんですけど…3人で食事とか距離感が役柄に似ていた。たくさん話しましたね」と有村に語りかけた。有村が「京都ロケも行ったりで、たくさん話しましたね」と返すと、柳楽は「川沿いを僕と春馬君が走っているシーンがあるんですけど、春馬君がタフで追いつけなかったのが、役とリンクして僕は好き」と笑みを浮かべた。有村が「三浦さん、早かったんですよね」とうなづくと、黒崎監督は「(三浦さんは)エネルギーがあって、どんどん走った。柳楽君もタフに演じていたんですけど、3テイク目で柳楽君が『僕、もう無理です』と。実際の鴨川で撮らせて頂いた」と笑みを浮かべた。

スクリーンに実際の場面を映して、撮影を振り返るトークでは、田中裕子演じる母フミが、再び戦地に向かう浩之を黙って見送り、その2人を修と世津が見守るシーンについて語った。柳楽は「本当に…裕子さんはもちろんですけど、春馬君の雰囲気が素晴らしいなと思って見ていました」と語った。

柳楽は舞台あいさつの最後に、映画のテーマでもある原爆が投下された広島で行われた、平和記念式典について言及。「小学生のスピーチが印象に残った。対個人、対歴史に対しても、忘れていくことが1番、怖いと今日感じました。映画を通じて伝えられるのが平和の第一歩かな」と語った。