俳優松山ケンイチ(36)が、1972年(昭47)の沖縄返還から50年の節目を迎える来年に上演する舞台「HANA」で主演を務めることが18日、分かった。
70年に沖縄・コザ市で住民と米軍が衝突したコザ騒動後の一夜が舞台。血のつながらないひとつの家族が、激動の時代を必死に生き抜く姿を描く。松山演じるハルオの家族は沖縄戦の艦砲射撃によって全滅。1人だけ生き残ったハルオは、おかあに引き取られ育てられた。高校に進学するが、おかあの期待を裏切ってドロップアウト。金武町のバーでバンドマン兼用心棒を務めていたが、現在はギターを弾くこともなくアシバー(ヤクザ)として過ごすという役どころだ。
単独主演舞台を踏むのは、13年の初主演舞台「遠い夏のゴッホ」以来9年ぶり。松山は「この作品、キャスト、スタッフと出会うことで1つのターニングポイントになると思います。観客の皆様にとってもそんな作品になるよう、力まず背負わず伝えていけたらと思っています」と意気込みを語った。
出身地である青森の言葉を大切にしている松山が、琉球言葉に挑戦し、生粋の沖縄人を演じることにも注目だ。
演出には、舞台「木の上の軍隊」、「マイ・ロマンティック・ヒストリー~カレの事情とカノジョの都合~」や「それからのブンとフン」で第39回菊田一夫演劇賞を受賞し、多方面で演出を手掛ける栗山民也氏を迎える。松山と初タッグを組む栗山氏は「ご一緒する俳優たちとの新しい出会いも楽しみ。たくさんの思い出をたどりながら、たくさんの沖縄の友人のもとに送る、熱く抱きしめたい作品になれば」と力を込めた。
キャストはそのほか、ハルオと血のつながらない兄弟・アキオを岡山天音(27)が、2人のおかあ役を余貴美子(65)が演じる。
岡山は「演出の栗山さん、共演させていただく松山さん、余さんはじめ、この舞台をかたどる全ての人たちと溶け合い、そこに立ち上がる“家族”の在り方に自分が何を見いだすのか、期待に心を震わせております」。7年ぶりに舞台に立つ余は「演出の栗山民也さんとは、30年ぶりの再会。沖縄の物語に関われる事は、楽しみであり責任を感じます。丁寧に務めさせていただきます」と気を引き締めた。
来年1月に東京、同2月に大阪と宮城で上演する。