<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム>
東京2020オリンピック・パラリンピックがついに5日、閉幕した。コロナ禍で1年間延期した。オリンピックではその間にも、演出陣のゴタゴタが次々と発覚するなど、国民から厳しい声が上がった。ただ開幕すると、選手は無観客の中でも全力を出し切り、大きな感動を届けてくれた。金27、銀14、銅17の計58個のメダル獲得は史上最多で、アメリカ、中国のオリンピック大国に次ぐ第3位だった。
そうして続いたパラリンピックは、オリンピックとはまったく違う感動を与えてくれた。特に開会式の演劇「片翼の小さな紙飛行機」は、世界中を感動させた。ヒロインを演じた和合由依さん(13)は先天的な手足の障がいと、関節の動きに制限が見られる機能障がいがあり、車いすで生活している。そんな和合さんが「今の自分を見てほしい」とヒロインのオーディションを受け、約5000人の中から見事に選ばれた。
ストーリーは和合さんが片翼しかない小さな飛行機を演じ、布袋寅泰が乗ったデコトラなど音楽や踊りなどで励まされながら、会場に映し出された巨大な滑走路から飛び立つのだ。その際に唯一のメッセージである「WE HAVE WINGS(私達には翼がある)」の文字が浮かび上がり、感動を増幅させる。
IPC(国際パラリンピック委員会)の広報責任者グレイグ・スペンス氏が「日本に由依ちゃんというスターが生まれた」と絶賛した。演出のウオーリー木下氏も「笑顔がすてきで、表現に貪欲な女の子。彼女にきっと日本中が、世界中が魅了される」と確信していたという。ラストで和合さんは飛び立つために滑走路を自力で走った。難しい演出だったが、和合さんはやり切った。
和合さんに早く次の舞台に出てほしい。体調の問題もあるでしょうが、パラリンピックを通して、障がい者のミュージカルや舞台、演劇など、もっともっと広がっていくことを期待する。
パラリンピックの開会式は本当に感動的だった。もちろん競技も熱戦の連続だった。菅首相退陣が、足掛け2年間に渡った東京2020オリンピック・パラリンピックの大団円に水を差さないことを祈る。【笹森文彦】