コロナ禍に心の叫び「俺はバイキンじゃねえ!」が歌のワクチンになる

正体不明の覆面バンド「在宅ブルース」が4月21日に配信限定でリリースした楽曲「俺はバイキンじゃねえ!」が話題になっている。

現在のコロナ禍から10年たった未来から今を振り返る設定の歌詞で、慣れない在宅業務の中、妻から邪魔者扱いされたり、街中での居心地の悪さを感じた主人公がバンドを組んで「俺はバイキンじゃねえ!」と叫ぶ内容になっている。

プロデュースを手掛けた音楽評論家の富澤一誠氏は、「ある小料理屋で会食をしているとき、隣の席で大きな声で音楽談義をしている3人組がいて、聞くともなく聞いていると、『コロナがこれだけ騒がれているのにコロナの歌がないのはおかしい。俺が作ってやる』と勢いづいている人がいたのですが、その人が大きな声で歌詞らしきものをべらべらとしゃべっていました。あまりにも面白かったので、私は話に割って入り、歌ができあがったらぜひ送ってほしい、私のラジオ番組で紹介したい旨を伝えて、名刺を渡した」と、誕生の経緯を振り返った。

覆面メンバーについて、富澤氏は、「背広にネクタイ着用のどこから見てもサラリーマンで、60歳前後。会社名を言ったら、ほとんどの人が知っている会社の社長さんを中心に、メンバー6人がそれぞれ会社を代表する立場の人たちなので、名前が出ると、まして面が割れると進退に影響があるから」と、覆面バンドとして活動する理由を明かした。

配信リリースが話題となっていることに対してメンバーは「驚天動地! 感想は? と問われれば、この言葉に尽きます」と驚きを隠さない。

曲がラジオで流れ、ミュージックビデオが制作されていることに「自分たちの出来事とは思えない日々に驚いています。だって、バンドメンバーの6人中3人が還暦越えの普通のサラリーマンなのですから」と、驚きのコメントを寄せた。

さらに「初めは夜の街、今は飲食店ですか。コロナは一般市民、特に社会的弱者にとても厳しい疫病だと思います。事が何であれ、抑圧される側のそれをはね返そうとするパワーだけは、そこはブルースバンドの矜持(きょうじ)として何とかこの曲で表現したい、そんな思いで歌い、演奏しました」と楽曲への思いを語った。

富澤氏は「緊急事態宣言、まん延防止等重点措置などが発令され、自粛生活を余儀なくされている。そんな人たちの心からの叫びは『俺はバイキンじゃねえ!』ではないだろうか。つまり、この歌は私たちの<心の叫び>であるからこそ今必要な歌なのです。コロナ禍時代の<歌のワクチン>はずばり『俺はバイキンじゃねえ!』であると私は思います」と期待した。